大災害の教訓を無駄にしてはいけない。
自分でできる「減災」を心がけよう

 重要なのは、自分が住んでいる地域にどんな被災リスクがあるかを正しく認識することです。各自治体では、地震や風水害といった自然災害の被害範囲や程度を予測して地図で表した「ハザードマップ」を公表しています。

 合わせて公表されている「土地条件図」では、地盤の高低、干拓・埋め立ての歴史などがわかり、液状化被害についての推測にも役立ちます。リスクに応じて火災保険の補償内容や地震保険の必要性を考えることをおすすめします。

 沿岸部では、周囲の建物が流失する中、全景を残している家屋など、被害が比較的抑えられた建物もありました。道路付けや築年数のほか、適切なメンテナンスを行なっているかどうかが被害の大きさを分けたケースもあるようです。このことも踏まえ、「減災」を考えることも大切です。

 被災された方々に想いを寄せる人は多いと思いますが、被災地では、「今回の震災で多く保険金が支払われた。とても助かったけれど、この先、別の地域で震災が起きたら、その方たちの支払いは大丈夫なの?」といった声も挙がっています。

 ご自身が被災し、傷ついているにもかかわらず、将来の被災者、さらに地震保険制度の健全性にまで思いを致してくださることに頭が下がると同時に、この震災を無駄にしてはならない、多くを学ぶべきである、との思いを強くしました。
 

地震の活動期に入った日本。<br />これから私たちがやっておくべきこととは
プロフィール
清水香(しみず かおり)
1968年東京生まれ。ファイナンシャルプランナー。学生時分より生損保代理店業務に携わるかたわら、FP業務を開始。2001年、代理店での10年間の 経験を生かし独立、のち(株)生活設計塾クルー取締役に就任、現在に至る。相談業務、執筆・講演なども幅広く展開、TV出演も多数。著書に『見直し以前の 「いる保険」「いらない保険」の常識』(講談社)、『こんな時、あなたの保険はおりるのか?』(ダイヤモンド社)、共著に『災害時絶対に知っておくべき 「お金」と「保険」の知識(ダイヤモンド社)』ほか多数。 日本経済新聞電子版「自動車保険」、オールアバウト「火災保険の選び方」などで連載中。
所属先:(株)生活設計塾クルー http://www.fp-clue.com/

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