経営 X 人事

部下ができた!評価ミスを犯さないための心得7ヵ条

どれほど綿密に評価制度を作っても、評価者が感情を持った人間である限り、誰が見ても納得できる公平な評価を行うことは難しい。また、会社には多くの評価者(管理職)がいるので、評価結果にバラつきが出ることも避けがたい。だからといって、誤った評価を放置しておくわけにはいかない。「評価者エラー」は社員のモチベーションを損なうだけなく、上司と部下の信頼関係にまで影響を及ぼすからだ。場合によっては、組織の停滞や生産性の低下へとつながることもある。適正な評価を行うことは、企業経営において死活問題なのだ。だからこそ、評価者である上司は「評価者エラー」のパターンをしっかりと理解し、最小限に抑える必要がある。そのためには、より充実した「評価者訓練」の実施が不可欠だ。(『日本の人事部』編集部)

思い込みが招く代表的な
評価ミス7パターン

 前回も述べた通り、評価者が人間である以上、評価結果に主観や印象が混じることは避けられない。すると、否応なく「評価者エラー」が生じてしまうことになる。「評価者エラー」には、「ハロー効果」や「中心化傾向」など、評価者の主観や印象によって生じる、いくつかのパターンがある。

●評価者が陥りやすい誤り

・ハロー効果
 被評価者のある一つの側面が非常に良い(悪い)時に、そのことに惑わされて、他のことも良い(悪い)と判断してしまうこと。例えば、いつも明るい表情で仕事をしている部下について、「勤務態度もまじめで、仕事もよくできる」と思い込み、評価するようなケースだ。ハロー効果は、評価者が最も陥りやすい誤りであると言われる。

・中心化傾向
 「良い」「普通」「悪い」という段階評価を設けた時、評価が中心部に集まってしまうこと。評価者が結果をはっきりと出すことをためらったり、評価することに自信がなかったりすると、中心化傾向が生じやすい。

・直近効果
 評価する期間が半年や1年といった長期間であるにもかかわらず、評価直前の被評価者の行動や業績が、評価結果に反映されてしまうこと。評価する情報が少ない場合や、適正に評価する能力がない場合に、起こりやすい。

・対比誤差
 評価者が、自分とは異なるタイプの被評価者を、過大または過小に評価してしまうこと。例えば何ごとにも几帳面な上司が、そうではない部下のことを、とてもルーズだと評価してしまうことがある。

・厳格化傾向
 対比誤差の一つ。評価者が自分の専門分野に関する項目に関して被評価者を評価する際、自分のレベルと比較してしまい、被評価者に辛い評価をつけてしまうこと。

・寛大化傾向
 これも対比誤差の一つ。評価者が自分の専門ではない分野の項目についてよく分からないため、被評価者に甘い評価をしてしまうこと。

・論理的誤謬(論理的誤り)
 関連のありそうな評価項目について、同一あるいは類似の評価をしてしまうこと。例えば、態度評価などに見られる「責任感」と「規律性」という項目は、論理的に直接関係がない。しかし、「責任感の強い人は規律をよく守る」など、両者を関連づけて評価をしてしまうことがある。

 評価者の主観的な見方や印象によってもたらされた「評価者エラー」は、被評価者のモチベーション低下を招くだけでなく、適正な人材配置や組織活性化の妨げにもつながるため、企業にとって大きな損失となる。評価者はまず、この事実をよく認識しなければならない。

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『日本の人事部』編集部 

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