[東京 21日 ロイター] - 日本証券業協会の稲野和利会長は21日の退任会見で、NISA(少額投資非課税制度)について、長期の資産形成を後押しするため制度の恒久化をあらためて求めた。協会長として普及に力を注いだNISAについて「対象となる国民の約1割がNISA口座を開設した。相当の手ごたえを感じる」と述べた。

NISAは2014年に制度が始まり、16年には、未成年者を対象とするジュニアNISAがスタート。18年からは月ごとの積み立てで投資を継続することを前提にした「積み立てNISA」が始まる。

ただ、いずれも時限措置で、投資可能期間はジュニアNISAが23年まで、積み立てNISAは37年までの制度。稲野会長は「国民生活に根差した、長期の資産形成の手段として定着していくには、制度自体を恒久化していくことが不可欠」と述べた。

稲野会長は、18年から3種類が並立するNISAについて、将来的な一本化に消極的な見方を示した。稲野会長は「積み立て型一本に絞るなら、かなり選択肢を狭めることになる」と述べ、各制度を温存して多様な投資手法を認めるべきだと指摘した。

また、積み立てNISAで購入できる投資信託が既存の公募株式投信の1%程度に絞られ、ファンドの本数が限られていることについては「投資家がだんだん投資に習熟していくことを考えると、適格な投信について幅を広げていくことがあるべき姿だ」との考えを示した。

稲野氏は野村アセットマネジメント取締役会議長を経て、2013年7月に日証協会長に就任。会長在任中はNISAの普及や利便性向上に尽くした。稲野氏の後任には、大和証券グループ本社<8601.T>の鈴木茂晴最高顧問が7月1日付で就任する。

(和田崇彦、編集:江本恵美)