[フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は21日発表した定例経済報告で、金融市場はこれまでのところ米連邦準備理事会(FRB)による金融政策引き締めを無難にこなしており、世界の成長に対するリスクは後退したようだとの見方を示した。

ただ、米国の保護主義への傾斜を示唆するシグナルなどを例に挙げ、見通しは依然として下方に傾いているとも指摘した。

ECBは、世界の金融状況が急変する確率は低下し、主要新興国経済もここ数年より好転、中国による成長テコ入れのための政策支援で短期的な見通しに対する懸念は緩和したと分析。

「FRBの注意深いコミュニケーションと非常に緩やかなペースでの金融政策の引き締め、新興国市場の脆弱性の弱まりにより、世界の金融状況の無秩序な引き締まりのリスクは後退したようだ」としながらも、特に米国の新政権による潜在的な保護主義への傾斜など、新たなリスク要因が世界経済に著しい悪影響を与える可能性があると警告した。

また、レバレッジの一段の拡大を考慮すると、中国の中期的な脆弱性はなお高く、対立を招きかねない英国の欧州連合(EU)離脱交渉も引き続き懸念要因だと指摘した。

「全体としては、一部のリスクが後退したようではあるが、世界の見通しに対するリスクのバランスは依然として下方に傾いている」という。