外国人にも素直に笑える
髭ダンス

 中盤にさしかかる頃、いよいよ宴会芸の時間だ。

 宴会芸はいくつもやったが、中でも一番人気なのは、「髭ダンス」だ。

 4人のスーツ姿の男性と、1人の黒子役が繰り広げる芸。

 1人の「リーダー役」がビールをグラスでイッキをすると、なるほど~という感じで残りの3人のスーツ姿の「弟子役」達が同じようにイッキをするのだ。ただ、なぜか、黒子は弟子役の3人目の男だけにビールの代わりに日本酒、グラスの代わりにジョッキを渡すというこてこての芸だ。これをケーキのイッキだったり他のアイテムでも繰り返す。単純な展開。わかりやすい笑い。そして何回も刷り込まれていく笑い。そして、それを盛り上げるデデデデという大きな音楽と例の独特なダンス。これまで色々な芸をやったが、こんなに鉄板で国際的に通じる芸は今まで他になかった。

 もう一回の談笑タイムを挟んで、今度はゲームの時間。宴会は会を参加型にするほど盛り上がる。尻文字ゲームや、お絵かきや、単純なものでもいい、何か参加者が参加できるもの、出来ればビジュアルを使ったものをいくつか用意し参加者の反応をみながら実行していくのだ。

 そして、最後の芸は、テーマソングである『2億4千万の瞳』の登場である。これも英語の勝手な替え歌にし、僕ら幹事軍団9名が激しい振付とともに歌い上げる。当然サビはを「H.B.S.(Harvard Business Schoolの略)、Japan Trip, 2005」と吹き替え、「Exotic Japan!」とあわせて全員で大合唱できるようにゲストたちにも旅行期間毎日刷り込んでいった。

 この日は、もう、この音楽が大音量で流れだした瞬間に全員の気持ちが一つになり、僕らと一緒にこのエキゾチックな歌で大合唱をしながら昇天していったのだ。

 この大宴会を終えたころには、全員鎧を完全にとき、仲間意識に浸り、何でも話し合い、助けあう間柄ができていた。ハーバード・ビジネススクールの連中を熱くさせるのには、宴会もここまで「とことん」やらなければいけないのだ。

 

→第2回公開「実力は三流、熱さは超一流のハーバード・ビジネススクールのラグビー部」
 

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【著者】児玉教仁
1972年生まれ。静岡県出身。清水東高校を卒業後、1年半アルバイトで学費を稼ぎ1992年に初渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学を卒業。1997年三菱商事株式会社へ入社。2004年ハーバード・ビジネス・スクール入学。06年ハーバードMBA取得後、三菱商事に帰任。2011年同社を退社、国際社会で活躍できる人材の育成を目指したベンチャー企業、グローバルアストロラインズ株式会社を立ち上げる。本書が初めての著書。