正田連載
BLUの「GRAND M」

 格安SIMが使える端末はさまざまだが、現在、比較的新しい最新の端末を安く入手しようと思うとSIMフリースマートフォンという選択になる。

 新興メーカーも含めて、海外メーカーが日本に続々進出しており、格安機も続々日本デビューしている。中でも1万円を大きく割り込んだ機種として登場したのがBLUの「GRAND M」だ。

手軽なスマートフォンなら最新ならSIMフリー機

 以前であれば、SIMフリー機よりもドコモ機や一部au機の中古端末が最もお得な端末の入手方法だったが、最近はそうでもなくなっている。

 気軽に買える価格のものになると、世代的に古くなり、動作速度やOSのバージョンによって使えるアプリに制限が出てくるようになってくる。そうした中、ただ安いだけでなく特徴的な格安スマートフォンが次々登場していて、選ぶ価値が出てきている。

 そして、以前なら安いものとなると中国や一部アジアブランドが主だったが、欧米の新興ブランドも格安機を用意して進出してくるのが最近の傾向だ。

 現在はブランドの出身国が品質を直接左右する状況ではないが、なんとなく出身国が気になる……というのも理解できる。

 そんな中で、アメリカから進出してきたブランドが「BLU」で、日本には「GRAND X LTE」と「GRAND M」の2機種の投入が発表された。

 GRAND X LTEはAndroid 7.0を搭載するなど最新仕様ながら1万2800円、GRAND MはLTE非対応でAndroid 6.0など全体的にさらにスペックを落として7980円となっている。

 しかも、日本仕様では、3Gの対応バンドのなかにドコモの800MHz帯も含まれており、エリアという面でも現在のところ心配はない。

 格安SIMで格安に使うなら安いほうにこだわりたいということと、GRAND X LTEの発売が6月30日と少し後になる関係で、筆者はGRAND Mを購入した。

GRAND Mは3G専用で7980円、SIMとセットで4980円!

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金属ボディーで質感は良好
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本体は厚みを感じる

 GRAND MはAmazonでのみ販売される機種で、単体での価格は7980円。筆者が購入した時は格安SIMの音声通話付き加入パッケージがあり、さらに安い4980円だった。

 回線とセットなら安いのはよくある話だが、この場合は加入パッケージとのセットなので、購入=加入申込ではなく、加入パッケージはすぐ使う必要はない。

 筆者の場合は7月にIIJmioに加入しようと思っていたので、加入パッケージが手に入り、さらに総額が安くなる今回のセットは非常にありがたい話だった。

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硬い紙のケースに入って提供。5cm以上の厚みがあるが、同梱物は少ない

 SIMパッケージはのちほど必要になったときに使うとして、届いた本体は、最近のスマートフォンによくある硬い紙のケースに入っていた。

 ケースの厚みは5cmを超えるものだが、中身は本体とUSBケーブル、TPUのジャケット、薄い説明書が入っているだけ。豪華な付属品を想像して開封の儀を行なうと拍子抜けする。

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TPUの透明なジャケットが付属するため、傷防止という点では追加投資の必要なし

 付属品はこの程度だが、ありがたいのはTPUのジャケットが付属していること。スマートフォンの付属品には一般的にヘッドホンやUSBケーブルがあるが、手持ちがあったり、好みや用途があるので付属していてもあまりありがたみはない。

 ただし、ケースが付属していると何かと便利だし実用的だ。ケースにこだわる人は、スマートフォンに傷を付けたくない人なので、好みのケースを用意するまでの間でも、すぐ使える点はありがたい。なお、残念ながら保護フィルムまでは付属していない。

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SIMはnanoSIMを2枚挿入可能。片方はmicoSDカードと排他

 SIMはnanoSIMで、2枚差しに対応する。同時待受に対応はしないが、切り替えて使用することは可能。

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同時利用はできないが、SIMを切り替えて利用できる

 ただし、3G専用機ということで、LTE対応機種と3G専用機でAPNが違う格安SIMは設定に注意。中にはLINEモバイルなど3G専用機は使えない格安SIMもあるので注意したい。

速度を実測! 3G専用なので平均3~4Mbps程度

 3G専用機ということで、LTE機種との違いを確かめるためにかなり速い速度の出るドコモ契約のSIMで速度測定を行なった。

 平日夕方の測定で、LTE機種であれば数十Mbpsが出るところが3~4Mbps程度と、3G対応のスペックどおりの速度になった。

 その後、ローエンドなLTE対応機種にドコモ契約のSIMを差し替えてみたところ、20Mbpsを超える速度が出ていたため、やはり3G機種というハンデは大きい。

 ただし、実用的にどうかと言えば、3~4Mbpsが安定的に出ていれば大きな問題はない。

 動画配信のAbemaTVを3G回線で視聴してみたところ、頻繁に途切れるといったこともなく、特に問題なく視聴できた。

 時間帯によって格安SIMの速度は大幅低下し、AbemaTVの視聴すらままならない格安SIMもあるため、いつでも問題なく動画が視聴できるとは言えないものの、あまりに問題になることはないだろう。

 ただし、LTEに比べて周波数の利用効率が悪い3Gのため、繁華街など混雑した場所によっては速度低下という可能性があるかもしれない。

 ちなみに、Wi-Fiにて十分な速度のある光ファイバー回線に接続した場合の速度も計測した。40Mbpsを超える速度を計測しており、自宅やWi-Fiの使える会社などであれば、3Gの遅さは無視できそうだ。

Androidは素の状態だが、アプリの起動などは若干遅め

 Android端末としてみれば、GRAMD Mのプロセッサーは「Mediatek MT6580」で、RAMが512MBなど、処理能力としてはローエンド。「ポケモンGo」など、一部アプリの利用に制限が出るスペックだ。

 「クアッドコアの1.3GHz駆動」という点を強調しているが、処理部分の世代が違うため、上位のGRAND X LTEに搭載される「Mediatek MT6737」のクアッドコア1.25GHzよりも性能は低い。

 このスペックでAndroid 6.0では、サクサクと動かない点は購入前によく覚悟しておく必要がある。

 実際、アプリの起動も待たされることが多く、ホームボタンを押してもホーム画面がパっと出る印象はない。それでも、アプリの起動など重い処理を除けば、Chromeブラウザでのウェブページ表示が多少もっさりする程度で、スクロールは十分な速度を得ている。工夫次第で実用的だ。

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購入時のアプリ一覧。ほぼGoogle純正アプリのみで、メーカーの癖はまったくない

 アプリはAndroidの純正でないものはほぼない印象。通信事業者のアプリはもちろん、BLU独自サービスに直結したアプリというものもない。素のAndroidだ。

 標準的なAndroidに慣れた人はすぐ利用できるほか、設定項目がメーカー独自に変更されていて探しにくいということもない。

上級者のサブ利用か? 初心者向けとはちょっと違う

 GRAND Mは、素のAndroidでロースペック機。スマートフォン初心者があれもこれもやってみたいと期待を抱いて使いはじめる機種とは言い難い。

 どちらかというと上級者がサブ機として利用したり、十分なサポートができる家族に安くスマートフォンを持たせるために適していると言えるだろう。

 ロースペックゆえにできることに制限があり、安価となって子供に持たせるには最適と考える向きもあるだろうが、多くの人がもう少し快適に利用するなら、上位機種のGRAND X LTEのほうがおすすめだ。

 今回のようにSIMとセットなら9800円から購入できる。ただし、上位機種でもRAMは1GBと小さいため、アプリ利用に制限が出る。その点には十分に注意してほしい。