[ワシントン/ニューヨーク 22日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)は22日、米銀34行を対象に実施した年次ストレステスト(健全性審査)の第一次審査の結果を公表し、全行が厳しい経済・市場情勢の下でも資本要件を満たすことができるとの判断を示した。

最も厳しいシナリオの下で審査対象行が被る貸付損失額は3830億ドル相当に膨らむものの、各行の資本水準は当局の基準を十分に満たせるとした。

銀行規制を担当するパウエル理事は「悪化シナリオの下でも当該行の資本は十分な水準を維持する見通しで、各行とも経済サイクルを通じて貸し出しを行い、厳しい環境時でも家計や企業を支援することが可能だ」と述べた。

最悪のシナリオが織り込む米失業率は10%と、現在の4.3%から倍以上に跳ね上がるが、各行の普通株式等Tier1自己資本比率は9.2%と、必要基準である4.5%を大幅に上回るほか、前年の審査時の8.4%と比べて良好な結果となった。

アナリストや業界団体はストレステスト結果を歓迎し、規制当局は金融危機以降に導入された厳しい規制の緩和を進めるべきとの見方を示した。

コーウェン・アンド・カンパニーの政策アナリスト、ジャレット・サイバーグ氏は「トランプ政権の銀行規制緩和への取り組みにとってポジティブな結果だとみている」と述べた。

米銀行協会(ABA)のロブ・ニコルス最高責任者は、FRBは米財務省が最近示した案を検討すべきだと指摘。これにはストレステストの透明性向上や実施頻度の減少が含まれる。同氏は「今後は、米銀が経済成長を一段と促進していく取り組みをどう支援できるかに焦点を当てるべきだ」と述べた。

28日には審査の第2部に当たる包括的資本分析(CCAR)の結果が公表される。CCARにはFRBによる銀行の資本計画の承認が含まれ、承認を受けないと銀行は配当金支払いや株式買い戻しな どが実施できないため、CCARは重要視されている。

アナリストは、ストレステストの影響を最も受ける銀行はシティグループ<C.N>だとみている。同行の株価は資産価値を下回る水準で取引されており、株主は株式買い戻しの拡大を求めているが、FRBの承認を得ずに買い戻しを行うことはできない。

FRBの審査では、シティの普通株式等Tier1は9.7%と、ウォール街の大手銀の中で最も高水準だった。シティが発表した結果では10%となる。同行の株価は引け後に0.3%上昇した。

JPモルガン・チェース<JPM.N>、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>、ウェルズ・ファーゴ<WFC.N>、ゴールドマン・サックス・グループ<GS.N>、モルガン・スタンレー<MS.N>の普通株式等Tier1は、最も厳しいシナリオの下で8.4─9.4%となった。

このうち、ゴールドマンが独自に分析した最悪のシナリオの下での普通株等Tier1は9.8%と、FRBの審査結果を1.4ポイント上回り、全行の中で最も楽観的であることが明らかになった。ウェルズ・ファーゴの独自分析もFRBを0.8ポイント上回っている。

一方、JPモルガンの分析はFRBの審査結果を1.3ポイント下回り、バンカメも0.7ポイント下回った。ストレステストの結果を受けて資本計画を再提出する銀行は、今後活用する資本の規模について下方修正のみを認められているため、計画が保守的過ぎた場合には変更することはできない。

普通株式等Tier1が7%を下回ったのは、アライ・ファイナンシャル<ALLY.N>とキーコープ<KEY.N>の2行だった。

*内容を追加します。