外資系コンサルティングファームのマネジャーであり、月間20万PV超のビジネスブログ「Outward Matrix」の運営者でもある20代の若手コンサルタントShin氏の処女作『コピー1枚すらとれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』が発売となる。本書のタイトルにあるように、もともとド落ちこぼれだったShin氏。彼はいったいどうやって、たった1年で外資系コンサルティングファームのマネジャーにまで上り詰めたのか――。その理由を、赤裸々に語ってもらった。

「おまえコピーすらまともにできないんだな」

 はじめまして、Shinと申します。ぼくは現在、とある外資系コンサルティングファームにマネジャーとして勤務しつつ、月間20万PV超の個人ブログ「Outward Matrix」を運営しています。そう言うと「すごいですね」という言葉が飛んできますが、入社当時は、ドが10個では足りないほどの「ド落ちこぼれ」でした。

 ぼくは東京のとある大学を出て、厳しい就職活動に吐き気を覚えながらも、なんとか自分が志望していたコンサルティングファームに就職を決めることができました。入社前の課題図書もしっかり読み、「これから一生懸命働いて、立派なコンサルタントになってやるんだ!」と、目を輝かせながら思っていました。そうして楽しかった大学時代と研修期間を終え、いよいよコンサルタントとしての初仕事を任されることになりました。

 最初のプロジェクトは、クライアントの海外支店立ち上げのサポートでした。さっそく大量のパワーポイントやワード、エクセルの資料を渡され、「とりあえずそれを読んでおいて」と言われます。しかし、言われるがまま読んでみたものの、何がどうなっているのかまったくわかりません。クライアント先に連れて行かれても、先輩やマネジャーが何を話しているのか、本当に同じ日本語なのかどうかも怪しいレベル。「議事録を取っておいて」と言われても、ワードを立ち上げながら言葉を拾うものの、日本語としてまったく頭に入ってこないため、メモも意味不明なものに仕上がりました。そしてそのメモをもとに一晩かけて議事録をまとめ、翌朝先輩に提出しましたが、「おまえ、いったい何聞いてたんだよ……もういいよ、おれやっとくから」という一言で、ぼくの仕事は巻き取られました。

 それからも、状況は悪化するばかり。

「なんだよこの資料……使えねぇなー、もう帰っていいよ」
「何度同じミスを繰り返せばわかるんだよ!」

 そんなことを言われては反省し、改善できずにまた同じ指摘を受けて……ぼくが「できない奴」だという事実は、日を重ねるごとに周囲の知るところとなっていきました。議事録取りや資料作成すらできないことが上司・先輩にバレてしまった結果、ぼくに回ってくる仕事は、必然的にコピー取りやホチキス留めなどの雑用になりました。しかし、そこでも「両面印刷」と言われていたのを「片面印刷」と聞き違え、紙と時間を無駄にする結果に終わりました。そこで呆れた先輩に言われた言葉が、この言葉です。

「おまえコピーすらまともにできないんだな。もう任せられる仕事ないわ。帰れよ、もうあとやっとくから」

 コンサルティングファームには、客観的に見ても優秀な人材が揃っていることは確かです。ぼくはそれを免罪符に、「自分が特別できないわけではなく、『コンサルティングファーム』という特殊な環境についていけないだけなんだ」と思い込もうとしていました。しかし残念ながら、ぼくはコンサルティングファームだろうがどこだろうが、落ちこぼれになってしまうレベルであることが判明してしまったのです。