凡人でも劇的に吸収力を上げられる方法

 その後もぼくは、いろいろな人に話を聞き、たくさんの本を読みました。どうすれば多くの情報を自分の血肉とし、成果に結びつけることができるのか……その秘訣を血眼になって探し続けたのです。少しでもよさそうなものがあれば実践し、うまくいかなかったら別の方法を試す日々が続きました。そうこうするうちにぼくは、「指摘のドラフトメール一元化」という方法にたどり着きました。

 ぼくを含めた凡人が吸収力を徹底的に高めるためにすべきことは、すべての指摘を一元化し、徹底的に見返すことです。学校の場合は、ノートを取り、見返して復習する時間がたっぷり取れます。しかし、仕事ではそうはいきません。メールの書き方や英語の表現、仕事に対するマインドや資料作成時の注意点など、次から次へと覚えなければならないことがふりかかってきます。それらをすぐに噛み砕いて吸収できればいいのですが、ぼくにはそんなことはできません。仕事のスピードについていくのが精一杯で、昔取ったメモを見返す時間もほとんどなく、同じミスを繰り返していたのです。

 どうすれば指摘を何度も見返せるか……。さまざまな方法を試し、最終的に行き着いたのがこの「指摘のドラフトメール一元化」でした。いままではノートに指摘事項を雑多に書いておくだけでしたが、それでは見返すことはありません。そこで、すべての指摘をドラフトメール(下書きメール)にまとめて記載することにしたのです。受けた指摘をすべてメモしておき、ドラフトメールにまとめ、保存しておく。これだけで、吸収力が段違いに変わりました。

 なぜなら、仕事中はメーラーを立ち上げていることが多く、ことあるごとに見返すことができたからです。作業中や会議前など、確認したい指摘を必要なときにすぐに見返すこともできました。こうして、何回、何十回と見返していれば自然とその内容は身についていくものです。事実、そうすることでぼくは、同じ指摘を受けることがほとんどなくなりました。さらに、指摘に自分なりの工夫を加えることで、「ミスを減らす」だけではなく「成果を出す」ことも可能になりました。

 実際にドラフトメールに指摘を一元化してみると、「吸収力がない」と悩んでいたことがウソのようにどんどん力をつけていくことができます。ぼくも、指摘を自分なりの言葉でまとめ直し、ドラフトメールに一元化して徹底的に見返したことで、二度同じ指摘を繰り返されることがグッと減りました。ぜひ皆さんも、実践してみてください。