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スマートフォンの理想と現実

グーグルが目指すケータイの創造的破壊と実効支配
「Google+」というスマホ時代の巧妙な仕掛け

クロサカタツヤ [株式会社 企/株式会社TNC 代表]
【第3回】 2011年7月27日
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Androidのための「Google+」

 Google+の3つめの特徴は、Androidとの親和性である。

 すでにGoogle首脳陣は、Google+の成功を確信し、Androidとの連携強化を進める、とのコメントを発表している。しかしこれは少々疑ってかかるべきだ。連携強化を〈今後〉進めるのではなく、すでに〈現時点〉でAndroidとの連携を相当意識して開発されたと、感じられるのだ。

 Google+とfacebookを、スマートフォンのアプリで比べてみると、よく分かる。前者の方が明らかにサクサク動くし、何より見やすく、また使いやすい。見比べると、facebookは動きも悪くゴチャゴチャしていて、使おうという気になかなかならない。

 両者の違いは、パソコンのWeb画面を見ているだけでは、あまり気にならない。しかしスマートフォンでは、Google+に軍配が上がる。おそらくGoogleは、Google+の主戦場がスマートフォン、それも同社がOSを提供するAndroidだと、見定めているのだろう。

 いや、もしかすると、逆なのかもしれない。Google+がAndroidを意識して作られたのではなく、Androidを盛り上げるためにGoogle+が作られた――こう考えたら、どうだろうか。

 確かに、ソーシャルメディアとモバイルの親和性は、極めて高い。twitterはスマートフォン経由の利用がもはや一般的となっていることは周知の事実だし、逆にソーシャルメディアを使いこなす光景がスマートフォン普及の一助ともなっている。

 両者の蜜月が今後のコミュニケーションや情報メディアを推進していくドライバーになるのだとしたら、ソーシャルメディアとしては後発であるGoogle+は、なおのことスマートフォン利用を前提に開発されたはずだ。

 そしてfacebookやtwitterと違い、GoogleはAndroidという、いわばスマートフォンそのものを有している。だとしたら、彼らがAndroidを念頭にGoogle+を開発しない方が、むしろおかしいし、またGoogle+がAndroidにとって大きな武器となることも、事前に気づいているはずだ。

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クロサカタツヤ
[株式会社 企(くわだて)代表取締役、慶應義塾大学特任准教授]

1975年生まれ。慶應義塾大学・大学院(政策・メディア研究科)修了後、三菱総合研究所にて情報通信分野のコンサルティングや国内外の政策調査等に従事。その後2007年に独立し、現在は株式会社企(くわだて)代表として、通信・メディア産業の経営戦略立案や資本政策のアドバイザー業務を行う。16年より慶應大学大学院政策・メディア研究科特任准教授。


スマートフォンの理想と現実

2011年はスマートフォンの普及が本格化する年になる…。業界関係者の誰しもがそう予感していた矢先に発生した東日本大震災は、社会におけるケータイの位置づけを大きく変えた。しかし、スマートフォンの生産に影響が及びつつも、通信事業者各社はその普及を引き続き目指し、消費者もまたそれに呼応している。震災を受けて日本社会自体が変わらなければならない時に、スマホを含むケータイはどんな役割を果たしうるのか。ユーザー意識、端末開発、インフラ動向、ビジネスモデル等、様々な観点からその可能性と課題に迫る。

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