6月20日、トランプ大統領をはじめとする多くの政治家は、米国にはもっと製造業の雇用が必要だと主張するが、この小さな町には、十分すぎるほどの働き口がある。ここにいる労働者の多くにとって、問題は雇用の数ではなく質だ 6月12日、インディアナ州ゴーシェンの大型車両用部品工場で撮影(2017年 ロイター/Joshua Lott)

[エルクハート(米インディアナ州) 20日 ロイター] - トランプ大統領をはじめとする多くの政治家は、米国にはもっと製造業の雇用が必要だと主張するが、この小さな町には、十分すぎるほどの働き口がある。ここにいる労働者の多くにとって、問題は雇用の数ではなく質だ。

 ブランドン・サイツさん(32)の場合がまさにそれだ。中西部インディアナ州エルクハートは、世界のキャンピングカー(RV)の首都と呼ばれるほどRV製造が盛んで、サイツさんは、地元工場の組み立てラインで12年間働いた。そこで、細身のサイツさんは体を壊しかけたという。

 他のRV工場の組み立て作業員と同様に、サイツさんの給料は、低い時給と、「ピース・レート(出来高払い)」と呼ばれる、割の良い特別手当という組み合わせだった。生産目標を達成して特別手当を得るため、組み立てラインは大忙しで、事故が起きることも多かった。工場勤務を始めた年、鉄鋼フレームがサイツさんに当たり、膝の腱が切れた。

 そして、工場の中は暑い。大半のRV工場には、空調設備がない。「いつも汗をかいていた。夏は、2.5ガロン(約9.5リットル)の水を飲んでもまだ喉がかわく日もあった」と、サイツさんは言う。2014年に、背中を切開してレーザーで腎臓の結石を除去する手術を受けた。脱水状態が原因だと言われたという。

 それをきっかけに、サイツさんはRV工場の生産ラインでは二度と働かないと決めた。「カネは良いが、身体に悪すぎる」