[27日 ロイター] - <為替> ユーロが下落。欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が大規模緩和策の妥当性を強調する発言をしたことが影響した。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長による27日の講演も注目される中で、ドルは対円で一時1カ月ぶり高値に上昇した。

終盤のユーロ/ドル<EUR=>は0.1%安の1.1179ドル。ドル/円<JPY=>は1カ月ぶり高値となる111.93円まで買われる場面があった。主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.2%高の97.440。

朝方にはユーロが1.1219ドルまで上昇した。5月米耐久財受注統計で、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財の受注が前月比0.2%減と市場予想に反してマイナスとなったためだ。

しかしドラギ総裁がリスボンで行ったタウンホール形式の学生との会合で、ECBの超低金利は雇用を創出し、成長を後押しして借り手にメリットをもたらし、最終的に格差を緩和していると述べると、ユーロ売り/ドル買いの流れに転じた。

チャップデレーン・フォーリン・エクスチェンジのマネジングディレクター、ダグラス・ボースウィック氏は「ドラギ氏は(ECBが)緩和縮小に動くとの期待に冷や水を浴びせ、ユーロが弱含み始めた」と指摘した。

<債券> 5月の耐久財受注が低調だったことで軟調な米経済成長と低インフレがあらためて意識され長期債利回りが約7カ月ぶりの水準に低下、長短金利差は2007年終盤以来の水準に縮小した。

5月の耐久財受注統計では、民間設備投資の先行指標とされるコア資本財(非国防資本財から航空機を除く)の受注が前月比0.2%減と、市場予想の0.3%増に反してマイナスとなった。

こうしたなか30年債<US30YT=RR>利回りは2.68%と、昨年11月9日以来の水準に低下。5年債と30年債の利回り格差<US5US30=TWEB>は93ベーシスポイント(bp)と、2007年終盤以来の水準に縮小した。

ニューヨーク(NY)連銀のダドリー総裁を含む連邦準備理事会(FRB)当局者から追加利上げが実施される公算が大きいことを示唆する発言が相次いだことで、過去1カ月間、イールドカーブはフラット化傾向にある。

ジェフェリーズのシニア短期金融市場エコノミスト、トーマス・シモンズ氏は「原油価格が有意に上昇し、インフレが再び上向くとの確信が得られるまで利回り曲線の平坦化は続く」とし、「インフレが鍵を握っている」 との見方を示した。

この日はNY連銀のダドリー総裁がFRBの利上げにもかかわらず金融情勢はひっ迫感が低下したとし、このことは利上げを継続する新たな論拠になるとの見解を表明。サンフランシスコ地区連銀のウィリアムズ総裁は最近の物価低迷は一時的であり、FRBの追加利上げを阻むものではないとの認識を示した。

財務省がこの日に実施した260億ドルの2年債入札は、最高落札利回りが1.348%と2008年10月以来の高水準、応札倍率は3.03倍と2015年11月以来の高水準となった。

<株式> ダウ工業株30種とS&P総合500種が小幅に上昇して取引を終えた。高値警戒感からハイテク株が売られ、ナスダック総合は反落した。

一方で、配当利回りの良いディフェンシブ銘柄は買われ、S&Pの公益事業株指数<.SPLRCU>は0.8%、電気通信サービス株指数<.SPLRCL>も0.6%それぞれ上昇した。

S&P情報技術株指数<.SPLRCT>は0.6%下落。マイクロソフト<MSFT.O>やアマゾン・ドット・コム<AMZN.O>、グーグル親会社のアルファベット<GOOGL.O>がいずれも値下がりし、S&Pやナスダックの重しとなった。

キングズビュー・アセット・マネジメントのポートフォリオマネジャー、ポール・ノルテ氏は「債券市場には景気減速の兆しが出ている。公益株を初めとしたディフェンシブ株が買われているのはそのためだ」と指摘した。

ただ、市場では「四半期末を控えた、ただの利益確定売りだ。7月上旬になって、利益が一段と改善するとの見方から買いの流れが強まっても不思議ではない」(ソラリス・アセット・マネジメントのティム・グリスキー最高投資責任者)といった声も聞かれた。

米国内での原油供給増を背景に原油相場の上昇は限定的で、S&Pエネルギー株指数<.SPNY>は0.2%安だった。

S&P金融株指数<.SPSY>は0.5%上昇。ニューヨーク連銀のダドリー総裁やサンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁が、利上げを継続していくとの見方を改めて示したことが後押し材料となった。

連邦準備理事会(FRB)は今月追加利上げを決定しており、年内にもう1度利上げがあるとの見通しを維持している。ただ、市場の織り込む年内再利上げの確率は50%にとどまっている。

個別銘柄では、米レンタカー大手ハーツ・グローバル・ホールディングス<HTZ.N>が13.5%高。米アップル<AAPL.O>が自動運転技術の試験目的でハーツから車を借りると一部で報じられたことが好材料だった。一方のアップルは0.3%安。

<金先物> ヘッジファンドによる大量の売り注文に圧迫され、4営業日ぶりに反落した。 中心限月8月物の清算値は前週末比10.00ドル(0.80%)安の1オンス=124 6.40ドルとなった。この日はヘッジファンドが未明から早朝にかけて大量の売り注文を出した。

<米原油先物> 外国為替市場でドルが対ユーロで売られたことに伴う割安感などを背景に買いが優勢となり、3営業日続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は前週末比0.37ドル(0.86%)高の1バレル=43.38ドル。9月物の清算値は0.34ドル高の43.61ドルとなった。