[ワシントン 26日 ロイター] - イスラム圏6カ国からの入国を制限する大統領令に関し、条件付きで一部の執行を認めた米最高裁の判断について、専門家らは適用除外の曖昧な定義が海外のビザ審査の現場で混乱を生じ、入国を拒否された外国人による訴訟に発展する可能性があると指摘する。

最高裁は米国の「個人や団体と強い関係を持つ」人物に対し入国制限の適用を除外するとした。この「強い関係」について米国務省査証(ビザ)部門の元法律顧問、ジェフリー・ゴースキー氏は「わたしが知る限りこれは前例のないことだ」と指摘。

同氏は、この定義はビザ審査を行う米在外公館の当局者らを混乱させる公算が大きく、入国資格の定義について裁判所の新たな判断が必要になる可能性があると指摘する。

26日の判断で最高裁は、10月以降に同大統領令の合憲性を巡る審理の最終判断を下すことで合意。判事のうち、クラレンス・トーマス氏を含む3人は最終判断まで大統領令の完全な執行を認めるべきだと主張した。

入国制限の適用除外例としては、定住者の家族や国内の学校への入学が許可された学生、米企業での採用が決まった人などを挙げた。 一方、入国制限を回避するために築いた関係性は有効とは認められないとした。

これに関し、オバマ前米政権で米国市民権・移民局の主任顧問だったスティーブン・レゴムスキー氏は、強い関係なのに入国が認められなかったと主張する外国人が裁判を起こす可能性があると指摘。

また、一部の弁護士らは、「強い関係」の定義が曖昧であることから、米政権に恣意(しい)的解釈の余地を与えるとの見方を示した。