ビジネスホテルの進化が止まらない。ハイブランド化、客室のリニューアル、新サービスの提供。ホテル評論家の瀧澤信秋氏に最新のホテル事情を聞いた。

 「ビジネスホテルの予約が取れない」。出張族から悲鳴が上がっている。ホテル業界は空前の高稼働率に沸いている。一時よりは多少緩和されたと言われるがビジネスホテルの稼働率(観光庁「宿泊旅行統計調査」2017年3月)を見ると、東京88.8%、愛知81.3%、大阪86.7%というように大都市圏の稼働率はほぼ満室とされる80%を超える。シティホテルの稼働率もビジネスホテル同様に高く、大阪ではビジネスホテルを上回る90.0%に達した。

相次ぐ客室のリニューアル

ホテル評論家
瀧澤信秋氏

 勢いがあるのが出張族と国内外の観光客を狙えるビジネスホテルで「プレミアム志向の強いハイブランドを立ち上げています」とホテル評論家の瀧澤信秋氏は解説する。ただしビジネスホテルのハイブランドとシティホテルとでは決定的な違いがある。「それはサービスの違いです。シティホテルではドアマンから始まり各所にホテルマンがいてホスピタリティあふれたフルサービスが受けられます。ビジネスホテルではホテルマンと接する場所がフロントに限られる、リミテッドサービスなのです」。そのためハイブランドであってもビジネスホテルは宿泊料金を抑えられるのだ。

 プレミアム志向の他にも目立った動きがある。まず宿泊料金に対する考え方の2極化。多くのホテルは需要に応じて料金を変動させているが、一部の大手チェーンなどでは料金を固定し、出張経費内に収まるよう配慮している。その背景には料金を変動させて出張族が離れると「高稼働率を支えているインバウンド需要が激減したときにもたない」(瀧澤氏)という危機感がある。

 客室のリニューアルも相次いでいる。「利用客に好評なのはバス、トイレ、洗面台が分かれている3点分離式とテーブル・チェアの見直しです」。3点分離式の快適さは分かるが、テーブルとチェアの見直しはなぜか。「部屋で弁当を食べる人も多いからです。低くて狭いテーブルと座りにくいチェアでは食べにくい」。女性の出張者が増えていることから専用フロアを設けるといった女性目線のリニューアルも目立つ。

小回りの利く
中小規模チェーンに注目

 瀧澤氏は今、中小規模チェーンに注目している。その理由は「大手チェーンが提供する客室やサービスは一定の満足が得られるものの画一的になりやすく、利用者の声が反映されにくい」と考えているからだ。「その点、中小規模チェーンは小回りが利くので、顧客の声を反映させたものが多い」。例えば中京のある小規模ホテルチェーンでは、近隣の大規模チェーンに対抗して夕食も無料を打ち出し、大浴場とサウナを造り、駐車場は大きな車が止められる平面区画を増やすなどして利用客を獲得している。

 このような意欲的なホテルの探し方は簡単だ。「予約サイトの並べ替え条件を『評価の高い順』に変えて探すのです」(瀧澤氏)。次回の出張が楽しみだ。


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