AV機器特集

猛暑の今年はお家でテレビ!

 どうやら今年は猛暑となりそうで、クーラーの追加や買い換えは本格的な暑さになる前に手を打っておいた方がよさそう。

 と、白物家電の特集のような書き出しをしてしまったが、本題は快適な室内で過ごす方法だ。

 ここはやはり、オーディオ&ビジュアルの出番だろう。映画やビデオ作品を見るのが一番のオススメだが、避暑地の映像や音楽を流して、自宅にいながらリゾート気分を楽しむというのもアリ。

 仕事や学校などで、長期休暇も取りにくいという人なら、なおさら毎日を快適に過ごすための方法を模索したいところ。

 そこで、今回は今買うべきAV機器について特集する。今回はビジュアル機器、つまり薄型テレビとプロジェクターを取り上げる。

フナイが国内市場に本格参入!!
4Kテレビの低価格化もさらに加速

AV機器特集
ヤマダ電機で販売されているフナイの4Kテレビ

 薄型テレビでの大きな話題が、家電量販店による激安4Kテレビの展開だろう。たとえばフナイ(船井電機)の国内テレビ市場への再参入。

 同社は国内ではOEM元としての役割が中心で知名度は今ひとつだったが、北米などの海外では人気の高いブランド。それが今年になって国内向けモデルを発売した。全11モデルがラインアップされるが、ヤマダ電機の独占販売となっている。

 ここではその最上位モデルとなる「FL-49UA6000」(販売価格 22万9800円)について紹介しよう。価格も十分にお手頃だが、4K解像度でHDRにも対応。しかも、3TBのHDDを内蔵し、最大5チャンネルの番組を全録して2週間分蓄積できる強力な録画機能も備えている。

 独自の高画質エンジンの搭載をはじめ、各種の動画配信サービスにも対応するなど、機能的にも国内メーカーのモデルと同等になっており、その実力が気になる人は多いはず。

情熱
ドン・キホーテが発売した、東芝のデジタルボードを使用したテレビ

 また、ドン・キホーテが東芝のテレビ用デジタルボードを使用した4Kテレビ「情熱価格PLUS 50V型 ULTRAHD TV 4K」(販売価格 5万9184円)を発売。

 その価格の安さと東芝製ボード採用という信頼感から人気が爆発。発売1週間で初回生産分が完売し、予約も一時休止中という人気ぶりだ。

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中国のハイセンスも日本向けに4Kテレビを販売している

 海外勢のハイセンスも4K液晶テレビ「HJ50N5000」(販売価格 10万7784円)を発売。HDRにも対応し、4K動画配信サービスも楽しめるなど、機能もなかなか充実している。

 こうしたぐっと安価なモデルが続々と登場してきているのも、今年のトピックスと言える。いくつものメーカーがテレビ市場から撤退した安売り競争が再びはじまるとは考えにくいが、より手の届く価格にも4Kテレビが登場してくるのは歓迎したい。

アニメ好きならHDR対応モデルを選びたい!

 個人的に気になるポイントとしては、画質や音質をじっくりと見極めたいところ。薄型テレビは10年くらいは使いたい物なので、長く愛用できるかどうかを左右するのは画質・音質だと思う。

 また、HDR対応については積極的に検討したい。HDR対応のコンテンツはUHD BDだけでなく、動画配信サービスやゲーム機でも対応が進んでいるので、将来性も考えるとHDR非対応は機能的な不満になることが多いと思う。

 特にアニメ好きな人には、従来のSDR映像をHDR的に高輝度化して表示する機能があると、なかなか相性が良く、さまざまな特殊効果の光が際立ち、なかなか見応えのある映像を楽しめることを付け加えておく。

 動画配信ではHD解像度の作品をHDR化して配信するタイトルも登場しており、4K解像度での制作が実写以上に難しいとされるアニメでも、HDRによるさらなる表現力の拡大が普及する期待もある。

 価格が大きな魅力ではあるが、そのぶん、機能や使い勝手、画質・音質にはそれなりの差が出るので、じっくりと見極めたいところだ。

高音質スピーカーで音の実力を増強
地デジ画質にもこだわった東芝「レグザ BZ710X」

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東芝「レグザ BZ710X」(写真は55V型)

 ここからは筆者おすすめの4Kテレビを紹介していこう。液晶パネル採用の4Kテレビは、今や50V型クラスのモデルでもインチあたり5000円を切っていて、十分にお買い得と言える。

 省スペース化も進んできており、50V型でもかつてのような大きいという印象は少ない。一般的なリビングでも十分に設置できると実感できるサイズになっている。

 そんななかで、一番のオススメと言えるのが、東芝「レグザ 49BZ710X」。ほぼ50インチという大画面で、最安ベースだと16万円台で販売されている。

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本体背面のスピーカー
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BZ710Xの「重低音」調整画面。リモコンのボタンから重低音の調整や音質調整が行なえる

 もちろん激安という訳ではないが、一番の特徴は「バズーカオーディオシステム」を搭載したこと。テレビの画面の下に前向きでスピーカーを配置し、背面には大型のバズーカウーファーを搭載して、迫力ある低音からクリアな高音まで豊かに楽しめるモデルだ。

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BZ710Xの映像設定画面。映像メニューは「あざやか」や「映画」、「アニメ」などがある。このあたりは基本的に上級機と共通。細かな調整機能も充実している
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ズラリと揃った映像メニュー。基本的には「おまかせ」でいいが、視聴するコンテンツに合わせて切り替えると、各種映像調整も最適化される

 もちろん、画質もおろそかにはしていない。高画質エンジンは「レグザエンジンBeauty PRO」で、上級機のZ810Xシリーズと同等。

 表示パネルはIPSパネル+直下型LEDバックライトで、LEDのエリア分割数を従来機「Z700X」シリーズの倍に増やし、LEDの駆動方法も改めることでコントラストを向上させている。

 さらに、地デジ放送をより美しく楽しむための「地デジBeauty PRO」を搭載。自慢の超解像技術などの高画質技術を地デジに最適化させ、フルHDの地デジ放送をより高精細でしかも低ノイズで楽しめるようにしている。

 地デジ放送は今後も継続していくし、1440×1080のハイビジョン画質であることも変わらない。とはいえ、多くの人にとってもっとも身近な放送である。これらを4Kコンテンツと比べて十分にきれいな映像で楽しめるというのは、今だからこそ重要な技術とも言える。

 ゲームユーザーにうれしい機能として、表示遅延の少ない「ゲーム」モードを備えている。高画質処理を行ないながらも、遅延を約10msecと短くし、操作のタイミングが重要なゲームも快適に楽しめるようになっている。

 また、4K/60p入力に対応するほか、解像度2560×1440/60Hzの入力にも対応するので、4K出力対応のゲーム機だけでなく、PCでゲームをする人にとっても、ありがたい機能が揃っている。

やっぱり音の迫力が違う!

 49BZ710Xで、地デジやBDソフトなどを見てみたが、驚くのは地デジがきれいなこと。精細感の高さはもちろんだが、映像の細部でチラチラと動くノイズや、文字テロップの付近に目立つモスキートノイズ、動きの激しい部分でのブロックノイズなどがかなり少なくなっていて、非常に映像が見やすいのだ。

 BDソフトもより高精細な4K表示で楽しめるし、UHD BDならば4K+HDRでよりパワフルな高精細映像を堪能できる。

 HDRの高輝度表現も十分にきらびやかで、力強い光の強さだけでなく、階調感もスムーズだ。こうした質の高いソースの映像は、一般的な明るさの室内環境ならば上級機と遜色のないレベル。実力の高さでは、クラスNo.1と言っていいレベルだ。

 そして、音の迫力は誰もが驚くレベル。薄型テレビの音質強化のためにサウンドバータイプのスピーカーを組み合わせている人は少なくないと思うが、薄型テレビ単体でそれに匹敵する低音再生を実現している。

 さすがは「バズーカウーファー」搭載だ。もちろん、低音だけでなく、中高音域はクリアーでドラマや映画の声もしっかりと定位し、画面との一体感も良好。

 細かな音まで丁寧に再現し、内蔵スピーカーとは思えないほどに質の高い音を楽しめる。テレビ1台で気軽に使いたいという人にとっては、まさにちょうどいいミドルクラスモデルとなっている。

高価と思われがちな有機ELテレビも
最安ベースで30万円以下のモデルが登場

有機EL特集
「OLED55C7P」

 今年は国内メーカーが続々と有機ELテレビを発売して注目度が高まってきているが、価格はなかなかに高価でおいそれと手を出せる人は決して多くないだろう。

 しかし、2016年から本格的に国内向けモデルを導入し、事実上の有機ELテレビのリーダー的存在となっているLGエレクトロニクスは、有機ELテレビを普及させるための戦略的モデルも投入してきている。

 それが「OLED55C7P」。今春発売の最新型ながらも最安ベースだと30万円を切っているところもあり、インチあたり1万円を大きく下回った価格となっている。

 本機が驚かされるのは、有機ELパネル採用というだけでなく、画質・音質の機能としては最上位モデルと同等となっていることだ。

 フルHDを超える次世代テレビの実力を認定する「ULTRA HD PREMIUM」の認定を取得。国内版ソフトの発売もはじまったUHD BDの「Dolby Vision」規格にも対応している。

有機EL特集
Dolby Visionの映像モード設定

 Dolby Visionとは、Dolbyが定める次世代の映像規格で、4Kの高解像度のほかHDR技術も採用。UHD BDで採用されている標準的なHDR規格(HDR10)と比べると、映像は10bitから12bitに増えている。

 HDRの表示自体もシーンに応じて異なる特性を切り替えることができ、よりダイナミックレンジの広いHDR表示が可能。

 Dolby Vision対応のソフトは、非対応のHDR対応テレビでもダウンコンバートしてHDR表示が可能となっているが、対応したテレビならばフルスペックの映像が表示できる。最新の規格にしっかりと対応していることも大きな強みだろう。

 またOLED55C7Pでは、HDR10のソフトでもシーンごとにさらにダイナミックレンジを拡大する「Active HDR with ドルビービジョン」という技術も備える。

 さらに、音声でも最新のサラウンド規格であるDolby Atmosに対応する。内蔵スピーカーは一般的なステレオスピーカーだが、バーチャル技術を併用して高さ方向までリアルに再現できる。手軽にサラウンド音声を楽しみたい人にとっては魅力的な機能だ。

 もちろん、有機ELならではの深い黒の再現なども存分に楽しめるので、最新の4Kコンテンツを存分に楽しめるはず。有機ELが気になっている人はぜひとも注目してほしいモデルだ。

プロジェクターは買い時とは言い難い
手軽に大画面を楽しめる超短焦点プロジェクターは注目

ソニー
ソニーの短焦点プロジェクター「VPL-VZ1000」。個人ではさすがに手が出しにくい価格だ

 最後はプロジェクター。こちらも4K化やHDR化が進んできているが、まだまだ上級機が主体で価格も高価だ。

 特にHDRではさらなる高輝度が要求され、従来のランプ光源ではなく、レーザー光源を採用したモデルも登場しているが、それらは一般の人では手の届かないレベルの高額になってしまっている。

 現状では、価格も含めて液晶や有機ELのテレビが優位性もあり、100インチ以上の大画面を求める人でないとなかなかおすすめしにくいのが現状だ。

 そんななかで、注目したいのが超短焦点プロジェクター。超短焦点プロジェクターは、最短で数cmというごく短い投射距離で投影ができるタイプのモデルで、今まではビジネス向けモデルが多かったが、ソニーが家庭用モデルを発売し、その設置性の良さで、人気となっている。

 こちらも、4K+HDR対応で、レーザー光源を採用したモデル「VPL-VZ1000」となるとおよそ200万円ほどとなる高価格だが、超短焦点プロジェクターにAndroidを搭載した「Xperia Touch G1109」は、実売で16万円前後と身近な価格だ。

Xperia Touch
「Xperia Touch」

 壁にぴったり寄せて、あるいは机や床に投射すると約20インチ。壁から約25cm離せば約80インチの投影が可能だ。

 Android搭載なので、映画や動画コンテンツの再生も自由に楽しめるし、ゲームを大画面で表示することも可能。しかも机や床への投射時は内蔵センサーでマルチタッチ操作ができるので、キーボードなどの操作機器も不要で使える。しかもバッテリー内蔵で、好きな場所へ持ち運んで使うことも自在となかなか使い勝手はいい。

 解像度は1366×768のHD解像度で、大画面表示では画面の輝度が不足しがちになるなど、画質を気にすると物足りない面もあるが、手軽に楽しめるプロジェクターとしてはなかなか気になる。

 こうした短焦点プロジェクターが普及してくると、プロジェクターの人気再燃となるような気もしている。このあたりは将来に期待したいところだ。

自分が求める機能をしっかり吟味すれば、4Kテレビは十分に買い!

 4K/8K放送の開始を目前とした段階ではあるが、4Kテレビが十分に買い時であることはよくわかったと思う。

 画面サイズやHDR機能が必要か、など自分にとって必要な機能を見極めれば、長く愛用できるモデルが見つけられるはず。大画面の魅力は実際に家に置いて見るとよく実感できるので、迷っている人は前向きに検討してほしい。

 次回は、今後の普及が期待されるUHD BDの再生に対応したレコーダー/プレーヤーを取り上げる。4K+HDRコンテンツの実力を存分に味わいたい人はこちらも注目だ。