江の島と相模湾を望む海岸線

サザンの湘南
ブランドに憧れて拡大中

 市区町村ごとのアイデンティティという意味でもう1つ象徴的な地域が、神奈川を代表するブランド、湘南である。

 いわゆる相模湾沿岸エリアのことであるが、「湘南」と言われてイメージする場所は、人によってさまざまだろう。湘南が指し示す地域については諸説あり論争があるが、ブランドイメージの良さから、拡大を続けているように見られる。ここには、「本家湘南」をめぐるバトルがあるのだ。

 神奈川県が運営する、神奈川の海の魅力を発信するプロジェクト「Feel SHONAN」では、湯河原から三浦まで相模湾沿岸の13市町村を「SHONAN」としている。アルファベットにしてあるのがミソで、対象地区は幅広く設定されている。相模湾を囲む形で横須賀三浦地域、湘南地域、県西地域に分けている。漢字の「湘南」地域で挙げられているのは、藤沢、茅ヶ崎、平塚、大磯、二宮の5市町村だ。

 この5市町村内で起きているのが、相模川を挟んだ東側と西側の争いである。平塚市在住の男性が主張する。

「藤沢、茅ヶ崎とかイーストサイドの人たちは『俺らが湘南』って思ってるでしょうね。サザン(オールスターズ)のイメージもあるし一般的にもそう思われてる。でも歴史的にはこちら側ウエストサイドが、本当の湘南です」

 大磯には『湘南発祥之地』の碑があり、平塚は古くから商業の中心地として栄えてきたという。

 ちなみに湘南ナンバーを発行する湘南自動車検査登録事務所が管轄するエリアは、東は茅ヶ崎市から西は小田原市、湯河原町までと広い。