AV特集

 猛暑が予想される今夏。クーラーをきかせた自宅で快適に夏を過ごすためには欠かせないオーディオ&ビジュアルを機器を紹介する本特集。今回は4K BDことUHD BDに対応したレコーダー/プレーヤーを紹介していく。

ソフトも少しずつ増えているUHD BD

 UHD BDのUHD(Ultra HD)とは、国内では4Kや8Kと呼ばれているフルHDを超える高解像度の映像コンテンツまたは映像機器を示す言葉で、北米やヨーロッパなど海外ではこう呼ぶのが一般的。だから、4KテレビもUltra HD TV(4K)と表記される。

 UHD BDは、映像は4K(4:2:0 10bit)で色域はBT.2020、HDRにも対応するなど、最新の規格をサポートしている。

 また、Dolby Vision規格もオプションでサポートしており、国内でもDolby Vision収録のUHD BDソフトの発売がはじまっている。

 UHD BDソフトも映画を中心に着実に増えてきており、新作はもちろんのこと、「ハリー・ポッター」シリーズのような大ヒットシリーズも、4K+HDRの最新の映像となって発売されている。

 4Kあるいはそれ以上の解像度で制作された最新の映画の4K映像は、リアリティーが格段に増しているし、4Kアップコンバート収録となる旧作でもHDRによって、ギラりと光る輝きが増すなど、BDやDVDとはひと味違うパワフルな映像になっており、画質にこわだる人ならば必見のメディアだ。

 UHD BD自体はソフトは1年以上前から発売されているが、これまではあまり大きく取り上げることはなかった。

 というのも、再生機器が比較的高価な機器に限られていたため、あまり身近な存在とは言いにくかったためだ。

 しかし、4KテレビもほとんどがHDR対応を果たし、価格的にも手の届くモデルが増えてきて、ようやく状況が整ってきた。もちろん、再生機器もレコーダーが各社から登場しはじめているほか、プレーヤーは5万円を切る普及価格機が登場。

 UHD BDが再生できるゲーム機「Xbox One S」に至っては、驚きの機能を新たに搭載(後述)しながらも2万円台で購入できる。

全録レコーダーでUHD BD対応モデルが登場!!
パナソニック「DMR-UBX4030」

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「DMR-UBX4030」

 UHD BD対応のレコーダーやプレーヤーをいち早く発売してきたパナソニックは、今春のモデルで全録タイプのレコーダーにもUHD BD対応モデルを投入した。

 まず紹介する「DMR-UBX4030」(実売価格 14万円前後)は、HDD容量 4TBで、最大6チャンネルの全録が可能なレコーダーだ。ちなみに上級機にはHDD 7TBで最大10チャンネル全録の「DMR-UBX7030」(実売価格 20万円前後)もある。

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前面のブラックのパネルには「ULTRA HD PREMIUM」のマークと「ULTRA HD Blu-Ray」のロゴマークがある
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フロントパネルを開けた状態。左側にディスクドライブがあり、右側にはB-CASカードスロットがある。SDメモリースロットとUSB端子も前面にある
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背面にはアンテナ入出力端子、増設HDD用のUSB端子、ネットワーク端子などがある。一般的なBDレコと同様だが、HDMI出力が2系統となっているのが大きな違い
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脚部はしっかりと専用のインシュレーターが装着されている

 全録をはじめとする録画機能は、録画済みの番組をさまざまな形で探せる操作メニューの採用など、誰でも気軽に使えるようになっている。

 さらに、CDをリッピングして内蔵HDDに貯めるミュージックサーバー機能も搭載。HDDからCD音源を再生できるだけでなく、ネットワーク経由でDLNA対応のオーディオ機器やPCなどへ楽曲の配信が可能だ。

 ハイレゾ音源販売サイトの「e-onkyo music」の自動ダウンロードに対応し、購入した楽曲が自動的にHDDにダウンロードされるようになっているなど、音楽再生の機能も強化されている。

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DMR-UBX4030の画質設定画面。解像感調整などの項目の分けられており、それらを選ぶと関連する画質調整が行なえる

 UHD BD再生のための機能ももちろん万全。接続したテレビに合わせて適した映像に変換して出力する機能を持つのはUHD BD対応機の共通機能だが、HDR非対応のテレビで、最適なダイナミックレンジに調整できる「ダイナミックレンジ変換調整」を備える。

 これに加えて、各種の画質調整機能も備えており、同社のプレーヤーとほぼ変わらない機能を受け継いでいる。

 HDMI出力も、ディスプレイとAVアンプなどのオーディオ機器に独立して信号を出力できる2系統の装備となっており、装備の面でもプレーヤーと遜色がない。

4Kテレビのための使いやすさを追求
シャープ「BD-UT1100」

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シャープのUHD BD対応レコーダー(写真は「BD-UT3100」)

 パナソニックと同じく、レコーダーでUHD BDに対応するのがシャープ「BD-UT1100」(実売価格 6万5000円前後)。3チューナー内蔵でHDD容量は1TBだ。

 ドラマやアニメ番組などを自動で最大1ヵ月分貯めておける独自機能「ドラ丸」を搭載。予約の手間を少なくして、ドラマやアニメを手軽に楽しめるようにしている。

 シリーズとしては、HDD 3TBの「BD-UT3100」(実売価格 9万円前後)、HDD 2TBの「BD-UT2100」(同7万円前後)もある。内蔵チューナー数はいずれも3チューナーだ。

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前面はメタル調のシルバーとブラックの2トーンカラーを採用。もちろん、「ULTRA HD Blu-Ray」のロゴがある
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前面パネルを開いた状態。B-CASカードやUSB端子などがある
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背面にはアンテナ入出力や光デジタル音声出力、増設HDD用USB端子、ネットワーク端子を備える。HDMI出力は1系統のみだ

 シャープのBDレコは、ドラ丸に代表されるような日常使いでの便利な機能が充実していることが特徴で、逆に言うと詳細な画質調整のようなマニアックな機能は省略して誰にでも使いやすいことを重視している。

 UHD BD対応でも、そのあたりの考え方はシャープらしい独特なもの。基本的にUHD BDは再生ができるだけで、パナソニックのような画質調整機能などはほとんど備えない。

 HDMI出力も1系統だけだ。マニアにとっては物足りない部分もあるのだが、当然これだけで終わっていない。

 まず、番組表が4K化され、視認性を大幅に向上。番組情報などの表示も増え、まさに新聞などでのテレビ欄を見ているような見やすいものになった。

 そして、細かい部分では、録画済み番組やメニュー画面に表示される放送中番組などの小画面表示が高精細化されており、サムネイル画面も内容が把握しやすくなっている。

 このため、再生中に見たいシーンを探すサーチ機能でも、縮小画面で登場人物などがすぐわかり、見たい場面を探しやすいのだ。

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画質調整の設定項目にある「モスキートNR設定」。輪郭や文字テロップの周囲に発生するノイズを低減する

 当然ながら、地デジはもちろんあらゆる放送などは4K解像度にアップコンバートして表示される。4Kテレビの高解像度をフルに活かし、UHD BDだけでなく普段のテレビ視聴でもより快適な使い勝手を実現しているのだ。

 シャープいわく「4Kテレビのためのレコーダー」というコピーは伊達ではない。

UHD BDなどあらゆるディスクの再生に対応
ソニー「UBP-X800」

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ソニー「UBP-X800」

 UHD BD対応機器は再生専用のプレーヤーもある。プレーヤーであれば5万円以下で入手可能だ。

 ソニーから登場したUHD BD対応プレーヤー「UBP-X800」(実売価格 4万7000円前後)は、5万円を切る手頃な価格を実現したモデル。

 単純にUHD BD対応で低価格としただけではなく、CDやDVD、BD、UHD BDの再生に対応。さらには、DVD-AudioとSACDの再生にも対応している。

 こうした12cm光ディスク規格のほとんどの再生に対応した機器は「ユニバーサルプレーヤー」とも呼ばれるが、たいていは10万円前後の高級機が多く、実売4万円台でここまで多彩な再生互換性を備えたモデルは珍しい。

 さまざまなディスクの再生を1台でこなせるというのは、大きな魅力だろう。

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シンプルな面構成と異なる素材感を組み合わせたデザインで、薄型テレビなどとテイストを揃えている。ULTRA HD Blu-Rayロゴのほか、Hi-Res AUDIOロゴもある
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フロントパネルを開けた状態。左側にディスクドライブがあり、右側にはUSB端子がある
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安価なモデルとしては珍しく、HDMI出力を2系統備える。このほかは、同軸デジタル音声出力、ネットワーク端子がある。Wi-Fiも内蔵する

 UBP-X800は、DVD-AudioやSACDの再生に対応することもあり、ハイレゾ対応モデルでもある。このため、音声関連の機能も充実している。

 たとえば、CDや圧縮音源の再生で、ハイレゾ相当の音質に向上する「DSEE HX」を搭載。WiーFiを内蔵し、ネットワーク経由でPCやNASに保存した楽曲の再生機能なども備えている。

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UBP-X800のメニュー画面。ディスク再生やネットワーク再生だけでなく、多彩な動画配信サービスの視聴にも対応している

 Bluetooth機能も持ち、対応ヘッドフォンなどを使ったワイヤレス再生も可能だ。もちろん、YouTubeやNetflixなどの動画配信サービスの視聴も可能となかなかの高機能だ。

 また、再生時の画質調整機能も備え、2つのカスタム項目が用意されており、自分で調整した設定を保存しておくこともできる。

コンパクトながらハイレゾ音源にも対応!
パナソニック「DMP-UB30」

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パナソニック「DMP-UB30」

 このほかにも見逃せないUHD BD対応機器がいくつか登場している。

 まずは、パナソニックの「DMP-UB30」(実売価格 4万円前後)。同社のUHD BD対応プレーヤーの普及価格モデルだ。

 本体サイズは横幅を320mmとしたコンパクト設計で、狭いスペースや薄型テレビ用の奥行きの短いラックにも設置しやすいサイズとなっている。

 それでいて、ハイレゾ音源対応のネットワーク再生機能やBDレコの番組などのDLNA再生機能、動画配信サービスなど多彩なメディアの再生に対応する。

 そして、UHD BD再生でも、上級機と同じく充実した画質調整機能を備える。「ダイナミックレンジ調整」およびHDR非対応のテレビ用の「ダイナミックレンジ変換調整」も備えている。

 また、HDR映像を見やすくするためリモコンに「HDR調整」ボタンを搭載し、手元で簡単に映像を調整できるのも便利だ。

 低価格なだけでなく、使い勝手も優れており、UHD BDが気になる人にとってはオススメ度の高いモデルだろう。

高画質、高音質にこだわった高級プレーヤー
Oppo「UDP-205」

OPPO
Oppo「UDP-205」

 続いては、優れた画質と音質で人気の高いOppoの「UDP-205」(実売価格 24万円前後)。すでに発売中の「UDP-203」の上位モデルで、Dolby Vision規格にも対応。12cm光ディスクのほとんどが再生可能なユニバーサルプレーヤーだ。

 高性能なクアッド・コア・プロセッサを搭載し、あらゆるディスクを高品質で再生でき、4Kへのアップスケーリング機能も備える。HDR非対応にテレビと接続したときのHDR to SDR変換機能も備えている。

 強力なのがオーディオ回路で、ESSのハイエンドDAC「ES9038Pro」を2基搭載。マルチチャンネル音声およびステレオ再生をそれぞれ独立してD/A変換を行なう。

 さらにHDMI出力には独自のジッター・リダクション回路を装備して、さらなる低ノイズ化、高音質化を果たしている。

 そんな高性能DACを活かすため、PCと接続できるUSB DAC機能も持つ。ステレオ音声出力はアンバランスとバランスの両方を装備。オーディオ回路だけを見ていると、現在も大人気の同社のUSB DAC「Sonica DAC」とほぼ同等ということがわかるだろう。

 こうした高級プレーヤーは今では数が少なくなっているが、画質・音質にこだわる人にとっては待望のモデルと言える。低価格の普及モデルから高級モデルまで出揃うことでUHD BDも十分に環境が整ってきていると思う。

最新サラウンドを普通のヘッドフォンで楽しめる
マイクロソフト「Xbox One S」

4KBD
「Xbox One S」

 最後に紹介したいのが、マイクロソフトのゲーム機「Xbox One S」(実売価格 2万6000円前後/500GB Minecraft同梱版)。Xbox Oneの上位モデルがUHD BDの再生に対応しているというのは、2016年の発売時点で紹介しているが、新たに驚きの機能が搭載された。

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Xbox One Sのオーディオ出力の設定。ヘッドセットオーディオの項目に「Dolby Atmos for Headphone」が加わっている
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「Dolby Atmos for Headphone」を使用するには、画面のガイドに従って専用アプリの「Dolby Access」を導入する必要がある。このアプリ自体は無料だが「Dolby Atmos for Headphone」を使うためには別途料金(1620円)が必要(30日間の体験使用期間あり)

 それは「Dolby Atmos for Headphone」。Dolby Atmosとは、最新の立体的なサラウンド再生規格で、UHD BDやBDのサラウンド音声として採用されているもの。

 高さ方向まで再現できる空間の表現能力は素晴らしいが、天井にスピーカーを設置する必要があり、なかなか実現のハードルが高い。そんなDolby Atmosをヘッドフォンで実現してしまう技術がXbox One Sに追加されたのだ。

 基本的には、Dolby Atmosと同様の高さ方向を加えた立体的なサラウンドをヘッドドフォンでバーチャル再生する技術。この機能を追加するために、専用のアプリを購入する必要があるが、それ以外のハードウェアは特に必要ない。

 これはちょっと凄いことで、いつも使っている手持ちのヘッドフォンでDolby Atmosのサラウンドが楽しめるのだ。

 ちなみに、XboX One Sだけでなく、Windows 10でもPCによってはDolby Atmos for Headphoneをサポートしており、同様にアプリを入手すると手持ちのヘッドフォンでサラウンドが楽しめるようになる。

魅力的な機能を持ったUHD BD再生機器は注目必至!

 Dolby Atmos for Headphoneの機能を持ったプレーヤーは、Windows 10マシンか、Xbox One Sしかない。ハードルの高いサラウンドを身近にしてくれる技術であり、かなり魅力的な機能と言えるだろう。

 UHD BD対応の最新の機器ではこうした魅力的な新機能が追加される。UHD BDをきっかけとして、最新の映像と音の世界を体験してみてほしい。

 次回はオーディオ関連のアイテムを取り上げる。ヘッドフォンやポータブルプレーヤーの注目モデルをまとめて紹介していく。