[マラウィ(フィリピン) 28日 ロイター] - 過激派組織「イスラム国(IS)」系の武装勢力が占拠するフィリピン南部ミンダナオ島のマラウィ市では28日、頭部を切断された市民5人の遺体が見つかった。フィリピン軍が明らかにした。

フィリピン軍は、マラウィ奪還作戦が進行するなか、武装勢力による「残虐行為」の犠牲となる住民数が急増する恐れがあると警告している。回収された犠牲者17人の遺体のうち、5体は頭部が切断されていたという。

武装勢力が同市を占拠してから5週間が経過したが、市内から逃げ遅れた市民が実際に斬首されている証拠が、今回初めて明らかとなった。同市を脱出した一部の住民はこうした行為について報告していた。

28日でマラウィに突入した武装勢力と政府の戦闘は36日目を迎えている。これまでに治安部隊の兵士71人、武装勢力の戦闘員299人が死亡し、24万6000人の住民が家を追われた。

フィリピンのドゥテルテ大統領はマラウィの武装勢力を破滅させると約束しており、ISの「集団の狂気」に触発された若いイスラム系戦闘員によって、同国はいまや「非常に危険な状態」に直面していると語った。「彼らがやっているのは殺りくと破壊だ。そして最も残虐なやり方で殺害している」

マラウィ奪還作戦のため中国から大量の狙撃銃と突撃銃を受け取ったドゥテルテ大統領はまた、「彼らはカメラの前で人々を斬首するのを楽しんでいる。同等の凶暴さをもって対処されるべきだ。だが、野蛮であってはならない」と述べた。

斬首が行われているとの情報は、西ミンダナオ司令部のエマニュエル・ガルシア中佐から記者へテキストメッセージで送られた。

ただ、ある民間救助隊員はロイターに対し、身体の一部が見つかったが、「斬首の証拠はない」と語った。

フィリピン軍の報道官は、遺体は12体と5体、それぞれ別の場所で見つかったが、5体の頭部が切断されていたかどうかは確認できなかったとしている。

別の軍報道官はこれより先、マラウィで多数の市民が殺害された可能性が高く、27人の死亡が確認されているとしていた。

軍は残虐行為の例として、住民に民家略奪や戦闘、性の奴隷を強要することなどを挙げた。

今回の武装勢力によるマラウィ占拠は、中東で支配地域を失いつつあるISが、東南アジアにおいて予想以上に大きな影響力を持ち始めている兆候ではないかと、同地域に緊張が走っている。

特にマレーシアやインドネシアなど、自国出身の戦闘員が今回マラウィを占拠したIS系「マウテグループ」に含まれていたことで、このグループが知らないうちに国境を超えたネットワークを形成している可能性について懸念を抱いている。