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これがスマートフォン広告のポテンシャル
成功事例に“なるほど”集客術の威力を見た

ダイヤモンド IT&ビジネス
【第2回】 2011年8月4日
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スマートフォンが
集客方法を劇的に変えた

 このように、企業のマーケティングツールとしての利用機会が増えていくことが予測されるスマートフォンだが、すでにスマートフォンの特徴を生かし、斬新な方法での集客に成功している企業も存在する。

 D2Cは7月14日、東京都内で「第10回モバイル広告大賞」を開催し、モバイルをマーケティングに活用し業績を上げた企業への表彰を行った。同アワードは今年で10回目を迎えるが、今年はスマートフォンの普及が進んでいることと相まって、受賞作品の半数以上がスマートフォンを活用した作品であったという。

「第10回モバイル広告大賞」でグランプリに輝いたJR九州の「今日の西郷どーん」iPhoneむけアプリキャプチャ
※プロモーション内容はこちらを参照

 そのなかでグランプリを受賞したのは、マーケティング部門で応募のJR九州の作品「九州新幹線カウントダウンプロジェクト『今日の西郷どーん』」(左の図参照)、また、優秀賞にはアディダス ジャパンの「BE Originals campaign」(マーケテイング部門で応募)、およびドミノ・ピザ ジャパンの「Domino's App」(アプリケーション部門で応募)が選ばれた。

 グランプリ受賞作品の「今日の西郷どーん」は、今年3月12日に全線開通した九州新幹線のカウントダウンプロジェクトとしてJR九州が展開したもの。

 開業日をゴールに「西郷どーん」が鹿児島から博多までを縦断するというストーリーを設定し、GPSとAR(拡張現実)機能を利用するiPhoneむけ無料アプリを配布、縦断ルートの途中にある対象物にiPhoneをかざすと巨大な「西郷どーん」が画面上に現れ、ユーザはその目撃情報をTwitterに登録していく。

 このユーザ参加型のプロモーションによってソーシャルメディアでの口コミが広がり、結果、新幹線の試乗会への応募は予定を大幅に超え、また、開業日の新幹線乗車券は予約開始から15秒で完売するなどの効果が見られたという。

 D2Cでは、この作品の受賞理由を「スマートフォンをはじめとして、AR、Twitter、GPSなど比較的先進性の高い機能を活用しながらも、巨大なキャラクターが九州を横断するという、広く一般的な生活者にも馴染みやすい企画であり、歴史的なイベントにおいて、モバイルを的確に取り入れた点もグランプリに相応しい作品として評価された」としている。

 また、優秀賞を獲得したドミノ・ピザ ジャパンの「Domino's App」は、スマートフォンのGPS機能で自宅やオフィスなど以外でもピザの注文を受けられるアプリケーションを開発。ユーザがどこに居ても「宅配」を可能にするアプリケーションによって、およそ1年2ヵ月でアプリからのオーダー累計売上が5億円を突破したという。

 今年2月に電通が発表した「2010年(平成22年)日本の広告費」によれば、2010年(1~12月)の日本の総広告費は5兆8427億円であり、テレビ以外の「マスコミ四媒体」の広告費が前年割れするなか、インターネット広告は前年を上回ると予測しており、とりわけ、パソコンで見るウェブ広告よりもモバイル広告の伸長率が高い傾向にあると分析している。

 以上で見た「モバイル広告大賞」の事例のように、企業キャンペーンにおいて、ユーザの反応がどこからでも即時に反映されるスマートフォン広告の広がりは、これまでの「広告」の構造全体を着実に変化させていく予兆かもしれない。 

■「第10回モバイル広告大賞」の詳細はこちら

 

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