[ロンドン 28日 ロイター] - 世界銀行は28日、2014年のエボラ熱のような感染症拡大による危機に際し速やかに資金を拠出するための「パンデミック債」をローンチした。昨年公表した「パンデミック緊急ファシリティ(PEF)」の取り組みの一環。

パンデミック債はいわゆる「キャットボンド(大災害債券)」の一種。感染規模や拡大のスピード、感染者の発生国数に応じて支払いを実行する。感染症に対応したキャットボンドは初めてという。エボラの時よりも速やかに対応資金が拠出できるようにするのが狙い。

世銀幹部によると、アフリカ西部では2014年の早い時期にエボラが拡大したが、もしその時にPEFがあれば、14年7月にも1億ドル程度を動かせたはずだという。実際には資金が出回り始めたのは3カ月遅れで、その時までに死者数は10倍に拡大した。

この幹部は、PEF全体で向こう5年間、感染症に対し5億ドル超の対応資金を融通すると強調。この中には28日に債券市場で調達した3億2000万ドルと、スワップ取引での1億0500万ドルの計4億2500万ドルが含まれるという。

世銀によると、パンデミック債に対しては、キャットボンド投資家や年金基金などから募集額の2倍の応募があった。

パンデミック債では、世銀は債券保有者に対し保険プレミアム相当分などを支払う。もし支出の対象となる感染拡大事例が発生すれば、償還されず、元本の全てないし一部がPEFの信託基金に繰り入れられる。世銀幹部は「基本的に投資家は保険会社のような役割を果たす」と説明している。

PEFは、最貧困国のための世銀グループの基金である国際開発協会(IDA)がカバーする全ての国が対象となる。