6月25日、フィリピンのドゥテルテ大統領による苛酷な麻薬撲滅戦争が開始されて1年、死者数は数千人に上る。写真は5月、首都マニラの空港で会見する同大統領(2017年 ロイター/Erik De Castroe)

[マニラ 25日 ロイター] - フィリピンのドゥテルテ大統領による苛酷な麻薬撲滅戦争が開始されて1年、死者数は数千人に上る。しかしその一方で、マニラでの麻薬の末端価格は下落。世論調査でも、国民は犯罪に対してこれまで同様に不安を抱いているという結果が出ている。

 ドゥテルテ氏は昨年6月30日、大統領に就任。その際に「社会的疫病の症状」である麻薬乱用と無法状態に終止符を打つと宣言した。

 政府当局者は、同大統領の取締り作戦のおかげで、犯罪発生件数は低下し、数千人の麻薬密売業者を収監、麻薬常用者100万人が要治療者として登録されたと指摘。フィリピンの将来世代は麻薬禍から守られると胸を張った。

「数千人の死者が出ているのは確かだ」とマニラ首都圏警察のオスカー・アルバヤルデ署長は、ロイターの取材に語った。「しかし、ここには生きている人間が何百万人もいる、そうだろう」

 しかし、人権活動家や弁護士、そして国内で大きな影響力を持つカトリック教会などからの批判はますます高まっており、当局が主張する成功に対して異論を唱えている。

 こうした懐疑派は、警察が正規手続きを踏まずに麻薬犯罪容疑者を射殺しているのに何ら罰せられることなく、貧困層のコミュニティを恐怖に陥れ、克服すべき無法状態をさらに悪化させている、と主張する。