[ニューヨーク 29日 ロイター] - 29日のニューヨーク外為市場では、ドルがユーロに対して約1年2カ月ぶりの安値近辺で推移した。米連邦準備理事会(FRB)の年内の追加利上げが疑問視される中、欧州やカナダの中央銀行がタカ派姿勢を強めるとの観測が広がり、ドルが売られた。

ユーロ/ドル<EUR=>は一時、2016年5月11日以来の高値となる1.1444ドルに上昇。終盤は0.5%高の1.1437ドルで推移している。

ドル/円<JPY=>は序盤に過去1カ月余りで最も高い112.92円に上昇したが、その後は軟調に転じて終盤は0.2%安の112.05円となった。

市場はドラギ欧州中央銀行(ECB)総裁の27日の発言を受け、ECBが年内に金融緩和の解除を開始するための準備を進めているとの見方を強めた。ECBの関係筋は28日、ドラギ総裁の発言について、差し迫った金融政策の引き締めは意図していないと説明したが、市場の反応は乏しかった。

さらにイングランド銀行(中央銀行)のカーニー総裁やカナダ銀行(中銀)の当局者2人の28日の発言により、両国の中銀が利上げに踏み切るとの観測が強まった。

BKアセット・マネジメントのマネジングディレクター、キャシー・リーエン氏は「米国以外の中央銀行による金融政策の軌道修正が、ドルと比べた外国通貨の相対的な魅力を高めている」と述べた。

またコモンウエルス・フォーリン・エクスチェンジのチーフ市場アナリスト、オマー・エシナー氏は「市場は、年内にあと1回の追加利上げを想定しているFRBの見通しに少し懐疑的になっている」と指摘。FRBの利上げに懐疑的な見方と、他の中銀からのタカ派的なシグナルが組み合わさり、ドルを圧迫したという。同氏はその理由について、2014年半ば以降は、金融緩和の解除でFRBが他の中銀よりも先行するとの観測が定着していたが、そうした観測が後退したためだと説明した。

米議会予算局(CBO)は2017年と18年の米国内総生産(GDP)実質成長率の見通しを1月時点の予測から若干下方修正した。これを受けて主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は一時、約9カ月ぶりの安値となる95.531に低下。終盤は0.4%安の95.597となった。

米ドル/カナダドル<CAD=>は一時、約5カ月ぶりの安値となる1米ドル=1.2987カナダドルを付け、終盤は0.3%安の1.3001カナダドル。