株式レポート
6月30日 9時21分
バックナンバー 著者・コラム紹介
マネックス証券

米国金融機関の財務改善で還元期待、規制緩和の進捗に期待:米大手行に改めて強気 - 金融テーマ解説

● 米銀株が堅調だ(図表1)。28日に発表されたFRBの健全性検査「ストレステスト」で、制度が開始以降初めて全34行が合格。事前予想以上の良い結果となった。

● 対象行は予想純益の「100%」の還元が可能になったため、前期比+40%の増配と+80%の自社株買い枠を発表。健全性が確認されたことで、規制緩和議論も進め易くなる。

● 米金融株は、FRBの利上げと自社株買いで金利収入増加、EPS上昇が予想される。特に規制緩和期待の大手行に強気。当面材料不足の邦銀株からのスイッチも検討したい。

米ストレステストの結果は予想以上に良好

6月28日、米金融機関34行に対する健全性検査、いわゆる「ストレステスト」の結果がFRBから公表され、今後1年程度の資本計画が当局に承認された(注)。

これによれば、現在の検査開始以降初めて、全行が「合格」となり、提出済みの株主還元計画が承認された(キャピタルワンのみ条件付認可で、年内に再提出の予定)。

この結果、今期の予想利益の100%を株主還元に回すことが可能になった。昨年の株主還元性向は65%だったため、還元性向は大幅に上昇する見込みである。因みに邦銀大手行の還元性向は30~40%台(16年度最高はMUFGの48%)となっている。

各行が査定後に明らかにした増配と自社株買いは以下の通り。自社株買いは、各行1~3兆円規模と巨額に上る。(邦銀の場合、同じく前期最大でMUFGの0.2兆円)。

健全性検査がもたらすもの

今回の健全性検査で、自社株買いによるEPSの上昇とともに、規制緩和の可能性が高まるとみられる。

邦銀とは異なり、今期の米銀は利上げの恩恵を大きく受けるため、既に予想EPSの改善が見込まれていた(図表3)。更に、FRBの利上げが進み、1兆円規模の巨額自社株買いが実施されればEPSの一段の改善が見込まれるだろう。

また、大手金融機関が持つ質の高い自己資本の比率は、09年とは比較にならないくらい改善している。不良債権比率も4分の1程度まで減少し、財務の健全性は大幅に改善している(図表4)。

6月初旬に、金融規制緩和案が米議会に提出されている。銀行に危険が残っている状態で規制を甘くするのは難しい。しかし、これだけ健全性が向上すれば、銀行の財務リスクを理由に反対する意見は後退するだろう。例えば、現在毎年行われているストレステストを隔年にする、企業の成長に貢献するようなリスクテイクは過度に規制しない、などといった緩和の議論が以前よりは進みやすくなる可能性がある。

米大手金融機関に注目。利上げペース、規制緩和が焦点

今後の規制緩和にしてもFRBの利上げにしても、ペースについては、さまざまな議論がありうる。一時的な金利の変動で金融株は短期的にマイナスの影響を受けることもあるだろう。

しかし、いずれにしても、米国では、金融機関の成長にとって最適な環境に向かいつつある。健全性検査前まで金融株は総合指数に比べて上昇が鈍っていた(前掲図表1)。規制緩和への厳しい道のりや、金利の低下が響いていたと思われるが、これらはタイミングの問題であって、方向性は間違いなく金融機関にとってプラスの方向に向かっている。

更に、今回、着実な健全化が確認できたことで、規制緩和の議論の阻害要因が一つ取り除かれた。残るのは、過去危機を誘発した金融機関の"前科"に対する野党や国民の反発であるが、これも、規制緩和が企業などの成長を後押しするものについては突破口が見えてくるだろう。

一方、邦銀は、金利上昇のきっかけは依然として見えず、本業のトップライン収益拡大は容易ではなさそうだ。株価は低位に留まっているものの、強気になれる材料に乏しい。当面の邦銀のテーマは、「構造改革」という名の経費カットである。それはそれで評価されるべきではあるが、やはり低金利継続と競争激化でトップラインが縮小していては、株価の押し上げには限界がある。

これらの点から、当面、金融業界の中では、邦銀よりも米銀を優先したい。日本の大手行から米大手6行(例えば、バンク・オブ・アメリカやモルガン・スタンレーなど、図表5参照)へのスイッチも一考に価するだろう。

■ご留意いただきたい事項
マネックス証券(以下当社)は、本レポートの内容につきその正確性や完全性について意見を表明し、また保証するものではございません。記載した情報、予想および判断は有価証券の購入、売却、デリバティブ取引、その他の取引を推奨し、勧誘するものではございません。当社が有価証券の価格の上昇又は下落について断定的判断を提供することはありません。
本レポートに掲載される内容は、コメント執筆時における筆者の見解・予測であり、当社の意見や予測をあらわすものではありません。また、提供する情報等は作成時現在のものであり、今後予告なしに変更又は削除されることがございます。
当画面でご案内している内容は、当社でお取扱している商品・サービス等に関連する場合がありますが、投資判断の参考となる情報の提供を目的としており、投資勧誘を目的として作成したものではございません。
当社は本レポートの内容に依拠してお客様が取った行動の結果に対し責任を負うものではございません。投資にかかる最終決定は、お客様ご自身の判断と責任でなさるようお願いいたします。
本レポートの内容に関する一切の権利は当社にありますので、当社の事前の書面による了解なしに転用・複製・配布することはできません。当社でお取引いただく際は、所定の手数料や諸経費等をご負担いただく場合があります。お取引いただく各商品等には価格の変動・金利の変動・為替の変動等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。また、発行者の経営・財務状況の変化及びそれらに関する外部評価の変化等により、投資元本を割り込み、損失が生じるおそれがあります。信用取引、先物・オプション取引、外国為替証拠金取引をご利用いただく場合は、所定の保証金・証拠金をあらかじめいただく場合がございます。これらの取引には差し入れた保証金・証拠金(当初元本)を上回る損失が生じるおそれがあります。
なお、各商品毎の手数料等およびリスクなどの重要事項については、マネックス証券のウェブサイトの「リスク・手数料などの重要事項に関する説明」(※)をよくお読みいただき、銘柄の選択、投資の最終決定は、ご自身のご判断で行ってください。
((※)https://info.monex.co.jp/policy/risk/index.html)

■利益相反に関する開示事項
当社は、契約に基づき、オリジナルレポートの提供を継続的に行うことに対する対価を契約先金融機関より包括的に得ておりますが、本レポートに対して個別に対価を得ているものではありません。レポート対象企業の選定は当社が独自の判断に基づき行っているものであり、契約先金融機関を含む第三者からの指定は一切受けておりません。レポート執筆者、並びに当社と本レポートの対象会社との間には、利益相反の関係はありません。

(マネックス証券)


マネックス証券
株式売買手数料(指値) 口座開設
10万円 30万円 50万円
100円 250円 450円
【マネックス証券のメリット】
日本株投資に役立つ「決算&業績予想」、信用取引ではリスク管理に役立つ信用取引自動決済発注サービス「みまもるくん」が便利。米国株は最低手数料5ドル(税抜)からお手軽に投資が可能で、米国ETFを通じて世界中に分散投資できる。投資先の調査、リスク管理、リスク分散など、じっくり腰をすえた大人の投資ができる証券会社と言えるだろう。一方、短期・中期のトレードに役立つツールもそろっている。逆指値ほか多彩な注文方法が利用できる上に、板発注が可能な高機能無料ツール「新マネックストレーダー」が進化中だ。日本株、米国株、先物取引についてロボットの投資判断を日々配信する「マネックスシグナル」も提供しており、スイングトレードに役立つ。
【関連記事】
◆AKB48の4人が株式投資とNISAにチャレンジ!「株」&「投資信託」で資産倍増を目指せ!~第1回 証券会社を選ぼう~
◆マネックス証券おすすめのポイントはココだ!~日本株手数料の低さ、ユニークな投資ツールが充実しているネット証券大手
マネックス証券の口座開設はこちら!

 

株主優待名人の桐谷さんお墨付きのネット証券!最新情報はコチラ!
ネット証券口座人気ランキングはコチラ!
NISA口座を徹底比較!はコチラ
株主優待おすすめ情報はコチラ!
優待名人・桐谷さんの株主優待情報はコチラ!

 

Special topics pr

ZAiオンラインPickUP
[クレジットカード・オブ・ザ・イヤー2017]2人の専門家が最優秀クレジットカードを決定! 2017年版、クレジットカードのおすすめはコレ! おすすめ!ネット証券を徹底比較!おすすめネット証券のポイント付き その 【株主優待】最新の株主優待情報更新中! アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードは、 本当は“ゴールド”ではなく“プラチナ”だった!? 日本初のゴールドカードの最高水準の付帯特典とは?
ランキング
1カ月
1週間
24時間
じぶん銀行住宅ローン 「アメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード」付帯サービスはプラチナカード顔負け!最強ゴールドカード 実力を徹底検証  アメリカン・エキスプレス・スカイ・トラベラー・カード
ダイヤモンド・ザイ最新号のご案内
ダイヤモンド・ザイ最新号好評発売中!


 

11月号9月21日発売
定価730円(税込)
◆購入はコチラ!

Amazonで「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!楽天で「ダイヤモンド・ザイ」最新号をご購入の場合はコチラ!


【株で1億円を目指す銘柄!今買う10倍株】
今後1年の日経平均の高値&安値を大予測
株で1億円を目指す10倍株ベスト67
・買い&売りをズバリ!人気株500診断
別冊付録!上場全銘柄の理論株価
・10年先を見通す10倍株
つみたてNISAのオトクな使い方

・買いの高配当株&優待株ベスト14
3万円以下で買える株ベスト9
・成長余力が大きい
有望IPO株
長期で値上がりを狙う厳選投資信託18本

「ダイヤモンド・ザイ」の定期購読をされる方はコチラ!

>>「最新号蔵出し記事」はこちら!

>>【お詫びと訂正】ダイヤモンド・ザイはコチラ

Apple Pay対応のクレジットカードで選ぶ! Apple Payに登録して得する高還元率カードはコレ! 堀江貴文や橘玲など人気の著者のメルマガ配信開始! クレジットカードに関するクチコミ情報大募集中!