次々に新興メーカーが登場するトゥルーワイヤレスイヤフォンだが、dashbonの製品「sonabuds(ソナバッド) TWS-H3」もその中のひとつ。安定感のある基本性能と音質が魅力で、トゥルーワイヤレスイヤフォン選びもおもしろくなってきたなと思う。

1万円台完全ワイヤレスイヤフォン「TWS-H3」は重低音の再生がいい!

 sonabudsにe☆イヤホンが付けた価格は、1万7760円。2016年末にAppleがAirPodsを1万8144円で投入して以降、同価格帯がトゥルーワイヤレスイヤフォンのボリュームゾーンになったが、この製品は激戦区で真っ向勝負を挑むことになる。製品の内容を詳しく見ていこう。

小型軽量で最大4時間再生可のバッテリー容量

 あまり耳慣れないdashbonというメーカーだが、ヘッドフォンのヘッドバンド部分にディスプレーを仕込んだヘッドフォン兼ヘッドマウントディスプレーの「Mask」や、小型のブロジェクターとスピーカーが一体化した「Flicks」など、ユニークな製品をラインナップしている。

 そんな同社の製品群から見ると、最先端のトゥルーワイヤレスイヤフォンとはいえ、sonabudsはごく常識的な仕様だ。イヤフォンの形式は密閉カナル型。ドライバーは6mm径。Bluetooth 4.2対応で、マイク内蔵でヘッドセットとしても使える。音声コーデックはSBCのほか、AACにも対応というのが基本スペック。

 本体は小型軽量で、片側の重量は4g。本体のピアノブラックと、ハウジングの側面を覆うクロームの装飾パーツが効いていて、価格の割に高級感がある。本体のバッテリー容量は40mAhで、フル充電までに2時間、再生時間は最大4時間というのがメーカー公表値。

 充電は付属のポッドを使う。ポッドにも500mAhのバッテリーを内蔵していて、電源のない環境でもイヤフォンを充電できる。ポッドの充電は付属のmicroUSBケーブルを接続してフルチャージまでに2時間。これでイヤフォン本体を5回充電できるとメーカーでは言っている。

1万円台完全ワイヤレスイヤフォン「TWS-H3」は重低音の再生がいい!

左右共通のイヤフォン本体には見分ける工夫も

 sonabudsの本体形状は左右まったく同じで、内部機構的にも左右がどちらに振られるかは固定されていない。スマートフォンとBluetoothで最初に接続した方がプライマリー(左チャンネル)側、その後プライマリー側に接続した方が右チャンネルになる。

 しかし、外観で左右の区別がつかないのではさすがに使いにくい。そこで片方のノズル側の充電用接点付近にブランドロゴが付いている。

1万円台完全ワイヤレスイヤフォン「TWS-H3」は重低音の再生がいい!

 ロゴの付いた方を常にプライマリー側、あるいはその逆というように、あらかじめ決めておけば取り違えも減るだろう。

 また黒とグレーという、同一サイズながら色の違うイヤーピースが2セット付属するので、左右でイヤーピースの色を変えて識別する方法もある。

1万円台完全ワイヤレスイヤフォン「TWS-H3」は重低音の再生がいい!
付属品はイヤーピースのほか、充電用ポッド、ポッド収納用のポーチ、microUSBケーブル、日本語も含む取扱説明書

ポッドから取り出すと自動接続

 イヤーピースは本体装着品と合わせて4ペア付属するが、グレー、黒ともに大小2サイズしかない。おそらくこれで大多数のユーザーに適合するはずだが、ユーサーによってはうまくフィッティングできない可能性もある。その場合は、付属品には含まれないが、コンプライのイヤーピース(T-400)に対応するので、これを利用する手もある。

 本体が小型で軽いので装着も楽だし、フィット感も悪くない。特にエルゴノミクスに考慮したデザインでもないが、よほど激しい運動でもしなければ、装着安定性が問題になることもないだろう。

 イヤフォン本体の操作系はワンボタン式のマルチファンクションタイプで、電源のオン・オフやペアリング操作、音楽の停止と再生、ダブルクリックで音楽のスキップ、長押しでSiriやGoogle Nowの呼び出しなど、一通りの操作ができるようになっている。

 ペアリング操作を済ませた後は、ポッドから取り出すと電源が入り、ステレオペアの接続を維持したまま、自動的にスマートフォンと接続する。耳から外してポッドに収納すると、スマートフォンとの接続が切れて、充電モードになる。このへんの使い勝手もこなれていて、とても扱いやすい。

ディープな領域の低域再生能力が魅力

 音に関しては、重低音の再生力の高さに特徴がある。重く、ディープな領域の成分を持ち上げながら、中高域をマスクせず解像感を確保しているところに、このイヤフォンの良さがある。

 BOSEはまだトゥルーワイヤレスイヤフォンを発表していないが、もし仮に製品が存在していたとしたら、こんなチューニングかもしれないなというバランス。代わりに、ドライバーは6mm径ということもあり、EQカーブを操作して作ったような感じは若干ながらある。そういったタイプのチューニングが気に入らない人にはなじめないかもしれない。

 左右チャンネルの位相差から来る音像の移動は、ほとんど感知できなかった。動画再生時の音ズレは認められるが、演者の動きと再生音のズレが目立ちやすい音楽ビデオでも気にならない程度のわずかなもので、MV鑑賞向きのモデルだろうと思う。

1万円台完全ワイヤレスイヤフォン「TWS-H3」は重低音の再生がいい!

 ルックスや低音域を主体にした音のまとめ方、そして価格帯から言って、同じ6mm径のドライバーを使ったSOL REPUBLICの「AMPS AIR」といい勝負になるはずだ。だが、動画の音ズレなどBluetooth周りの性能では、sonabudsが少なからずリードしている。

 Bluetooth周りの性能を重視するなら、今のところAppleのAir Podsが最右翼だが、あちらはオープンエア型。低音域の再生能力、遮音性は断然sonabudsの方が高い。破綻のないディープな低域は、小型軽量モデルとしてとても魅力的だ。

 レビューした両機種はe☆イヤホン各店舗で試聴できるので、興味がある人は試してほしい。