6月27日、自国通貨の支援能力の指標であるサウジアラビア中銀の対外純資産(NFA)は、今年も大幅な減少が見込まれている。写真は米ドル紙幣。同国メッカで2012年10月撮影(2017年 ロイター/Amr Abdallah Dalsh)

[リヤド 27日 ロイター] - 自国通貨の支援能力の指標であるサウジアラビア中銀の対外純資産(NFA)は、今年も大幅な減少が見込まれている。原油安が影響するほか、海外投資に向けた政府系ファンド(SWF)の拡大が背景にある。

 対外純資産は2014年8月に過去最高の7370億ドルに達した後、2016年末には5290億ドルに減少。原油安を受けた巨額の財政赤字の穴埋めのため、政府が一部資産の取り崩しに迫られたためだ。

 財政緊縮措置や原油価格の一部回復を背景に、今年は財政赤字の削減が大きく進展。第1・四半期の財政赤字は260億リヤル(約69億米ドル)となり、前年同期比で71%も縮小した。

 しかし、対外純資産は2017年1─4月に360億ドル減と、ここ数年とほぼ同じペースで減少。これはエコノミストや外交関係者らにとって謎であり、サウジへの市場の信認に傷が付きかねない事態だ。

 ドバイ最大の銀行エミレーツNBDで域内調査部門を率いるカティジャ・ハク氏は「サウジの国際収支に、原油輸出収入の減少にはよらない大きな赤字が依然としてあることを示唆するものだ」と語った。

 サウジによるイエメンへの軍事介入に関連した支出が原因との見方もあるが、これは考えにくい話だ。そもそも、イエメン軍事介入は限定的な空爆であり、本格的な地上戦ではない。サウジのある高官が2015年末に示唆したところによると、年間の費用は70億ドル程度とされる。