エリアは広大。
余裕を持ったスケジュールを

 被災地を巡るにはクルマが必須だ。鉄道は復旧していない路線もあるし、クルマでなければ効率的に回れない。もうひとつの必需品は地図である。昭文社から発行されている「東日本大震災 復興支援地図」がお勧めだ。同社と大日本印刷が共同で制作し、災害支援の関係団体(各県の災害対策本部、ボランティア・センター、報道機関など)に無料配布されたものだが、現在は一般向けに販売されている。津波被害にあった地域が一目で分かり、災害対策本部やボランティア・センターの場所、道路の通行規制などの情報が豊富に掲載されている。この地図を眺めると、津波被害がいかに広大で甚大だったのかも実感できる。被災地に行く予定のない人も、ぜひ購入して眺めてほしい。

 被災地に行くときに注意してほしいのは「距離感」だ。東北は広大で、実際にクルマを走らせてみると、地図を眺めて想像するよりも広いと感じるだろう。余裕を持ったスケジュール構築が必要だ。

 1泊2日で訪れる場合は、石巻市を中心に回る。新幹線で仙台に入りレンタカーを借りる。そこから多賀城方面に45号線を走り、仙台港北ICから三陸自動車道に入る。東京本面からクルマで行く場合は、東北道仙台南JCTから仙台南部道路、仙台東部道路を経由して三陸道に入る。いずれも三陸自動車道石卷河南ICで降り一般道を右折。カーナビの設定を「石巻市門脇町5丁目」あたりに設定しておくと、ほとんど全てが流された町が現れる。初めて被災地を訪れた人は、その光景を見るだけで津波被害がどれほどのものだったかを実感できるだろう。 

ガレキの中に建てられた「頑張ろう!石卷」と書かれた看板。いまや、石巻の1つのシンボルになっており、多くの人がこの看板の前で写真を撮っていく。

 その全てが流された光景の中に「頑張ろう!石卷」と書かれた大きな看板が立っている。ガレキの中にこのようなメッセージを見ると、僕らも頑張ろうという気持ちになってくる。ガレキの街を周回すると「日和大橋」という大きな橋が見えるはずなので、そこを渡る。直進して大きな交差点を左折すると500メートルほどで国道398号線に突き当たる。「女川街道」である。右折して道なりに1時間ほど走ると、女川町にたどり着く。町の全てが流された光景に愕然とする。

 石巻市は人口15万人ほどの大きな都市なので津波の被害も甚大だったが、被害を免れた地区は普通に機能しているように見える。女川町のように小さいけれど町のほとんどが流された光景は、津波の恐ろしさをより強く感じさせると思う。被害は数字だけでは語れないのだ。

 女川町から女川街道を石巻市中心部に戻ると、旧北上川に中州が見え、石ノ森マンガ館が見える。橋を渡ると商店街に入る。遠くから見ると被害に遭ってないように見えるが、実際には店の一階部分が壊滅的な打撃を受けている。ほとんどの店が休業状態だが、その中に営業しているそば屋さんがあるので、そこで食事をしよう。地元のお店にお金を落とすことが大事なのだ。