なでしこリーグの人気が止まることを知らない。またリーグの観客動員記録が更新されたのだ。

 31日、神戸ユニバー記念競技場で行われたINAC神戸レオネッサvs岡山湯郷Belleの試合は入場無料ということもあったが、2万1236人もの観客が集まった。なでしこジャパン世界一の興奮冷めやらぬ24日のINAC神戸vsジェフ千葉レディース戦は1万7812人だったから、3400人あまりの増加である。

 この試合は大きな見どころがあった。INACは澤、大野、川澄、近賀、田中、海堀、湯郷は宮間、福元のW杯メンバーが先発したが、とくに興味がそそられたのは世界一の立役者となったINAC・澤と湯郷・宮間による中盤の攻防だ。これも観客動員を後押ししたといえる。

 前半、試合の主導権を握ったのは湯郷。宮間がキレのあるプレーで何度も好機を演出し、21分に先制した。これはINACにとって今季初失点となる(7試合目)。だが、地力に勝るINACは慌てない。前半30分に1点を返して1-1で折り返すと、後半2ゴールを決めて3-1で勝利した。

 INACのチームグッズも飛ぶように売れたという。この試合のためにサッカーの応援には欠かせないタオルマフラーを500枚用意したが、すぐに完売。応援グッズはファンを、より熱心なサポーターにするのに有効なツールだ。劣勢を挽回して勝つという面白い試合も見せたし、この日スタジアムに足を運んだ人の多くが、INACのサポーターになるに違いない。

 なでしこリーグは、ロンドン五輪アジア最終予選(9月1日~11日)があるため、来週末(8月13・14日)でいったん中断。9月23日に再開するが、この試合を中継したいという申し込みが複数のテレビ局からリーグに来ているそうだ。なでしこリーグの注目度は一気に上がり、今やJリーグに引けを取らない。また、放映権料は安く一試合あたり10万円。Jリーグは数百万~2000万円だから、テレビ局が飛びつきたくなるのもうなずける。五輪予選を順調に勝ち抜き女子サッカーの人気が維持されれば、後半戦は毎週末になでしこリーグの試合が中継されるということになるかもしれない。