東京ガス社長 岡本 毅<br />家庭用燃料電池は目標達成<br />停電時の対応を来年度目指すPhoto by Toshiaki Usami

──ガスから熱と電気をつくる家庭用燃料電池「エネファーム」に注目が集まっている。しかし、停電時に使えないことも露呈した。

 電力不足による計画停電や節電を背景に関心が非常に高まった。家庭用燃料電池の販売台数は、今年度目標の5000台を上半期のうちに達成した。予想していなかった事態だ。

 業務用や産業用でも、ガスで電気を起こし排熱を有効活用するコジェネレーションの問い合わせが殺到した。震災以前から大規模電源に依存するのではなく、地域や家庭を一つの単位とする分散型電源の有効性を訴えてきた。それが認知された。

 だが、家庭用燃料電池や給湯器、ファンヒーターは停電で使えなくなるという課題もある。コストは高くつくが、停電対応を求める消費者の声に応えるようなメニューを来年度には用意したい。