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吉田恒のデータが語る為替の法則

いつあっても不思議ないサプライズ介入。再度の介入が必要となってきた理由とは?

吉田 恒
【第143回】 2011年8月3日
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 対ドルで円最高値更新含みの円高・ドル安が進んできたことで、3月の協調介入に続く、再度の円高阻止介入が注目されています。

 結論的に言うと、私はもういつ介入があってもおかしくないと思っています。また、後述するように「サプライズ」で効果的な可能性にも注目しています。

為替介入の主役は為替ではなく株価だった!?

 ただ、まずはそれとは逆に介入がすぐにはやりにくいかもしれない理由から説明しましょう。

 それは第1に株価との関係です。

 日本政府は過去1年間で2回、米ドル買い・円売り介入を行いましたが、「資料1」を見ると、日本政府は2回の介入とも、日経平均が9000円割れへ急落した直後に行っていたことがわかるでしょう。

資料1

 

 ちなみに、昨年9月の介入は米ドル/円が84~85円という水準で行われました。そして、今年3月の介入は、米ドル/円が80円前後で行われました。

米ドル/円 週足

(リアルタイムチャートはこちら → FXチャート&レート:米ドル/円 週足

 こんなふうに介入が行われた為替の水準は違っていたのに、株価の水準は良く似ていたわけです。

 その意味では、介入の「影の主役」は株価だったといってもよいかもしれません。株価が急落する中、それを一段と悪化させかねない円高は問題と判断したから介入したということです。

 さて、そんな観点からすると、今はすぐに介入しないのではないか、しても本気にはならないのではないかと疑われそうです。上の「資料1」のように、日経平均は今のところ1万円前後で比較的安定しているからです。

 株価が安定しているなら、円高も問題ないというのが政府の本音と受け止める見方は少なくなさそうです。

それでも介入が必要となってきた理由とは?

 ただし、白川日銀総裁は7月下旬、「円高が景気に悪影響を及ぼす可能性がある」との認識を示しました。

 それは、米ドル安と購買力平価や長期移動平均線との関係を見るとわかる気がします。

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吉田 恒 

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役歴任。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケット エディターズ」の日本代表に就任。


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