7月4日、3期目に突入する森信親金融庁長官は、強い指導力で多くの改革を進め、金融業界に大きな影響力を及ぼしてきた。写真は金融庁の入るビル、都内で2014年8月撮影(2017年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 4日 ロイター] - 3期目に突入する森信親金融庁長官は、強い指導力で多くの改革を進め、金融業界に大きな影響力を及ぼしてきた。しかし、ともすれば強権的とも受け取られかねない改革路線に対して、金融業界には不満も蓄積しつつある。森長官は「金融機関との対話」路線を掲げるが、建設的な関係が築けるのかどうかが問われそうだ。

森長官が取り組む改革

 長官は、自分の信念にもとづいて、正しいと思ったことはどんな手を使ってもやり抜く――。金融庁幹部は森長官の手法をこう評する。

 森長官は就任から2年、さまざまな改革を行ってきた。そのうちの大きな柱がフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)に基づいた金融機関の業務運営の見直しだ。

 一部の貯蓄性保険の販売手数料が高過ぎるとした問題では、販売を担う銀行界に手数料の開示を促したのに対し、地方銀行が反発して頓挫しかかった。すると、今度は議論を有識者会議の場に移し、金融商品の手数料開示を盛り込んだ「顧客本位の業務運営に関する原則」にまとめ上げた。

 投信などの運用商品販売では、毎月分配などの売れ筋商品のあり方を批判し「長期・分散・積み立て」投資の有効性を積極的に喧伝(けんでん)。そうした考えに沿うように非課税期間が20年に及ぶ積み立てNISAを創設した。このため、運用業界からは「役所が、理想論で商品設計を語る意味があるのか」(国内証券幹部)との批判も出る。