経営×物流

本が店頭に並ばない!? 危機を迎える出版流通

相次ぐ運送会社の撤退に、急がれる業界横断的な流通改革

 出版流通が危機的状況を迎えている。かつては、路線会社をはじめとする運送会社が各地の輸配送業務を取り合ったが、最近は同業務からの撤退を決める企業が後を絶たない。

 出版取次5社と輸送会社19社で構成される出版取次協和会(柏木祐紀会長)が掲げた2017年度のテーマ『出版流通を止めない~すべては読者のために~』にも、厳しい業界動向は端的に表されている。

 背景には複数の社会情勢の変化があり、抜本的解決が難しい事情もあるが、「本」という文化を全国へ届け続けるために今、企業の垣根を越えた出版流通の再構築が求められている。

コンビニ店舗に陳列される雑誌や書籍

雑誌の売上低迷とコンビニ出店増が
運送会社の収支を圧迫

 雑誌や書籍といった出版物は、主に首都圏で印刷・製本し、幹線便で各地の物流センターに持ち込まれて、同所より書店やコンビニエンスストア(コンビニ)店舗へ届けられる。輸配送業務は取次が手配し、業量(出版物の取扱量)が多い大都市圏では各社による自家配送が中心で、地方では複数の取次が共同で車を仕立てる共配便となる。

 配達時間帯は主に夜間で、閉店後の書店や無人のコンビニ店舗などは運送会社がカギを預かって納品している。

 運送会社の収支を圧迫しているのが「業量の落ち込み」と「配送先の増加」だ。出版物全体の流通量は年々縮小しており、中でも雑誌はスマートフォンの普及などに押され、より顕著に販売量を落としている。

 他方で、配達先件数はコンビニ店舗の拡大で増加の一途を辿る。出版物輸送は共配が多いこともあり、運賃契約が重量建て。一件当たりの業量が減って配達件数が増えれば固定費負担は重くなり、運送会社の経営を圧迫する。

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『カーゴニュース』

1969年10月の創刊から約40年間「経済の中の物流」という視点から一貫した報道を行っている物流業界専門紙。物流報道の中に“荷主”という切り口を持った媒体として評価されている。主な内容は荷主企業の物流動向、行政の物流関連動向、トラック、倉庫、鉄道、海運、航空など物流企業の最新動向、物流機器、WMSソフトなどの関連ニュース等。週2回発行。


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1969年10月の創刊から約40年間「経済の中の物流」という視点から一貫した報道を行っている老舗・物流業界専門紙『カーゴニュース』とのコラボレーション連載。

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