[ベルリン 5日 ロイター] - ドイツのハンブルグで7─8日に開催される20カ国・地域(G20)首脳会議で採択される共同声明で、米国が地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から離脱したことが指摘され、米国の孤立化が鮮明に示される可能性があることが、ロイターが入手した声明草案で明らかになった。

ただ共同声明では技術革新を通した温暖化ガスの排出量削減で協力する姿勢も示される見通し。最終的な声明の文言は協議の過程で変更される可能性があるが、米国の孤立化を認識しながらも、G20全体として環境に優しいエネルギー技術の開発にコミットメントを示すことで、すべての参加国・地域が共同声明に署名できる公算が大きい。

ロイターが入手した3日付の声明草案は、「われわれは米国のパリ協定からの離脱に留意する」と明記。G20関係筋もこの文言を確認した。

一方、「米国は経済成長を支援しエネルギー安全保障上のニーズを改善しながら排出ガス削減に向けた世界的なアプローチへの強いコミットメントを確認する」とも記されており、パリ協定を巡り19対1の構図で米国がG20内で孤立していることが明らかになった。

トランプ大統領は先月、パリ協定からの離脱を発表した際、米国にとり、より有利な条件を求め再交渉する意向を表明。ただ声明草案は他のG20首脳はパリ協定は「不可逆的」であるとの認識で合意したとしており、再交渉の要請は却下される公算が大きいことが示唆された。

EU外交筋は「温暖化対策について異なる協議が並行的に行われる事態は望んでいない。われわれにとってはパリ協定以外のものはない」と指摘。ただ、米国が再交渉を要請すれば結局は協議の場を持たざるを得なくなる可能性もあるとの見方を示した。

米国の孤立化が明らかになる一方、G20は 持続可能な開発と整合性が取れる方法で経済を発展させるための「均衡がとれ経済的にも実行可能な」長期的な戦略の追求に向け緊密に連携することも確認。草案は「技術革新とエネルギー効率(向上)を通して温暖化ガス排出量を引き続き削減する」としている。