「外にいる場合は、お客様と話をしているか、移動しているか、クルマを運転しているかのいずれかの状況にあります。そういう社員と連絡を取るときに、今までは留守電にメッセージを残したりメールをしたりしていましたが、それを相手が見たかどうかがわからないため、再度電話していました。時間のロスになり、すぐやるべき対応ができず、苦情になってしまうこともあったと思います」(佐藤順子・ビジネスプロセス改革部部長兼企画グループ課長)

「LINE WORKS」では、着信がスマホ画面にポップアップ表示されるので見逃すことはなく、読んだら「既読」がつく。「必ず伝わったことがわかる」のは、外せないポイントといえるだろう。

 また、金融機関なら当然のことだが、セキュリティ面も非常に重視している。基本的に端末内にデータを残さない仕組みを構築していて、使い勝手がよく、サクサク使えることが、同社が求めた条件。これらを「LINE WORKS」は十分にクリアしているという。

BCP対応なども検討

「LINE WORKS」は、使い慣れたLINEがベースということもあり、すぐに活用が進むと同社は確信している。慣れてきたら、社員から意見やアイデアを広く集めて、使い方を改善していく方針だ。

「現中期計画で掲げる「3つの変革」の実現に向けて、グループ一体となって「挑戦」を応援・推進するプロジェクト「挑戦推進運動」等を通じて、社員から『LINE WORKS』のいろいろな使い方によって新しいビジネスや効率化などにつなげるアイデアがたくさん出てくると期待しています」

 また、この新たなコミュニケーション環境を軸に、災害発生時に重要業務が中断しないようにするBCP対応の構築、顧客接点の強化なども検討する方針だ。

 真の「良い会社“Good Company”」を目指し、骨太の抜本改革を着実に進めてきた東京海上日動。「LINE WORKS」という頼もしいツールが加わったことで、経営理念の実現にまた一歩近づいたといえるだろう。

「LINE WORKS」の導入で業務プロセス改革に弾みがつくことを期待するメンバー

(取材・文/河合起季、撮影/宇佐見利明)