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一流の磨き方
【第3回】 2017年7月26日
著者・コラム紹介バックナンバー
浜野安宏 [映画監督、ライフスタイル・プロデューサー、生活探検家]

なぜ人は「ギャンブル」というゲームが好きなのか?

「一流」になるために磨くべき、「人間関係」・「仕事」・「運」・「お金」・「自由」・「生き方」とは。映画監督、ライフスタイル・プロデューサー、生活探検家と、幅広く活躍する浜野安宏(はまの・やすひろ)氏による「提言」を、書籍『一流の磨き方』より、一部、抜粋して紹介する。「本物」を知る人だけが、本物になれる!

ギャンブルの真理は、
「自分の精神とのにらみ合い」

 私は、仕事も遊びも、「マインドフル」のほうが楽しいと考えています。

 マインドフルとは、私の感覚では「自分の心の状態に注意を向けていること」だと思っています。

 私は、ハイローラー(高額な賭け金で遊ぶギャンブラーのこと)と呼ばれる人たちと、アメリカのカジノに行ったことが、何度かあります。

 強いハイローラーに共通しているのは、「欲をかかないこと」です。

 私はハイローラーのひとりから、次のようなアドバイスをもらいました。

 「一度に大儲けしようとせず、10ドルを20ドルにして、20ドルを40ドルにして、40ドルを80ドルにして……と、少しずつ儲け金を積み上げていくことを考えなさい」

 ハイローラーと聞くと、一度に高額な賭け金を投じるイメージがありますが、実際は、そうではありません。最初の賭け金は、一度に、100ドル程度でした(それでも十分に高額ですが)。

 そして、100ドルを200ドルに増やし、200ドルを400ドルに増やし、400ドルを800ドルに増やし…、と少しずつ増やしていき、5000ドルまで増やしたら、今度は5000ドルを1万ドルに増やすのではなく、「もう一度、100ドルから賭け直す」のです。

 「入ったら、出さない」
「あるところまで儲けたら、一度、引っ込める」

のが、ハイローラーの「鉄則」でした。

 私だったらきっと、自制心を失うはずです。「よし、5000ドル入った! じゃあ次は1万いけー!」と欲をかいて、結局は、全部、失ってしまうでしょう。

 ハイローラーがカジノに夢中になるのは、ギャンブルが「マインドフル」な遊びだからです。

 ギャンブルの真理は、「自分の精神とのにらみ合い」です。チップを賭ける瞬間に、「勝負に出るのか、出ないのか」自分の精神力が試されます。

 彼らにとって、ギャンブルは「一か八か、運を天に任せるもの」ではありません。「自分の感情との対話で決まるもの」なのです。

 勝っていても、決してはしゃがず、客観的に現実を直視して、自制心を働かせることができるかどうか。「大勝負に出たい」という葛藤を抑えることができるかどうか。

 逆に、負けていても、弱気にならず、萎縮しないで、賭け続けることができるかどうか。

 強いハイローラーは、このヒリヒリした「自分の精神との戦い」を楽しんでいて、儲けること以上に、「自分に勝つこと(欲や葛藤に勝つこと)」に、喜びを見出しているようにも思えます。

 ギャンブルが、「自分との戦い」であるのなら、私にとってのギャンブルは、「釣り」であり、「仕事」です。

 釣果も、仕事の成果も、「運」で決まるのではありません。どちらも、「自分の心との向き合い方」で決まります。

 ビジネスでは「効率」が求められがちですが、それでは、本当の「結果」は得られません。

「どうすれば結果が出るのか」を考え、試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ、結果に近づいていく。自分の心の状態に注意を向けて、マインドフルに仕事をする。

 「ブレることなく、自分を信じて行動し続けること」でしか、大きな成果は得られないのです。

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    浜野安宏(はまの・やすひろ) [映画監督、ライフスタイル・プロデューサー、生活探検家]

    株)浜野総合研究所 代表取締役社長。 一般財団法人 ビーチ&フィールド保護協会 理事長。 特定非営利活動法人 渋谷・青山景観整備機構(SALF) 専務理事。 1941年、京都生まれ。日本大学藝術学部映画学科演出コース卒業。 南青山「FROM-1st」、「東急ハンズ」、「AXIS」、渋谷「QFRONT」、「Q-AXビル」、青山「Ao〈アオ〉」ビル、などを総合プロデュース・商業コンサルタント、その他多数プロデュース。過去に「神戸ポートアイランド・ファッション街区」プロデュース、「横浜みなとみらい21都市デザイン委員会」委員など、多くの公的活動も歴任する。現在も渋谷、青山を拠点にアジアへの活動を拡げている。 主な著書に『ファッション化社会』、『質素革命』(以上、ビジネス社)、『浜野商品研究所コンセプト&ワーク』(商店建築社)、『人があつまる 浜野安宏 ストリート派宣言』(ノア出版)、『生活地へー幸せのまちづくり』(学陽書房)、『はたらき方の革命』(PHP研究所)、『想いの実現』(浜野総合研究所)、『TETON 感じて生きる 山からの提案』(世界文化社)、ほか、多数。 映画「さかなかみ」、記録映画「TETON 山の声」、映画「カーラヌカン」などを製作、監督。


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