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デジタル流行通信 戸田覚

大ブームのネットブックPCが“第二世代”で苦戦する理由

戸田 覚 [ビジネス書作家]
【第66回】 2009年3月2日
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VAIO type P
第二世代のネットブックとして、最も話題になったソニーの「VAIO type P」。だがスペックや価格を見ると、これは従来のネットブックに分類できないかもしれない。

 昨年、PC市場の底上げにつながったのが、ネットブックのブームだ。いまや、ノートPCの売り上げで見ると、2割以上をネットブックが占めているほどだ。
 
 ネットブック登場の当初は静観していていた大手メーカーも、一気に製品を投入し、今やほぼすべてのメーカーがネットブックを発売していると言ってもよいだろう。

 ネットブックは、安価でコンパクトなモデルとして姿を現した。それまでの“持ち歩けるPC”は30万円近い価格だったのだから、そのインパクトは絶大だった。バッテリー駆動時間が短いとか、ドライブを持たないなどの欠点が目立ったが、買い易いこともあって、爆発的にヒットした。

 ところが、ネットブックは、パーツを選択するうえでいくつかの制約がある。その理由はさし控えるが、多くのモデルがCPUに「Atom」を採用し、OSは一世代前の「Windows XP」を搭載しているからだ。

 もちろん、ある意味で手頃な価格を実現するためのチョイスなのだが、選べるパーツが少ないと、製品としての差がつきづらいのは確かである。

 そのため、最初は「安い」というインパクトで売れたネットブックも、そのうち売れ行きが頭打ちになる時期が必ず来るだろう。僕にしてみれば、「すでにその時期に達している」とも言える。

 もちろん、メーカーもそのへんをわかっているから、さらに魅力的な「第二世代のネットブック」を色々と投入して来た。これらの第二世代モデルは、価格がやや高く、5万円台半ば~6万円台後半が多い。

 たとえば、EeePCに高級感のあるボディのモデルがお目見えし、マウスコンピューターはドライブ内蔵モデルをラインナップする。HPはデザイナーとコラボしたモデルまで投入している。

 今や、第一世代を継承したベーシックなネットブックは4万円台が当たり前なので、そう考えるとこれらは1~2万円ほど高いことになる。

 では、いくら付加価値を付けたとはいえ、これまで“安さ”で売れて来たネットブックが高くなっても、売れ続けるのだろうか? 実は、この点こそが日本メーカーが得意とするところだ。

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戸田 覚[ビジネス書作家]

1963年東京生まれ。ビジネス書作家、コンサルタント。株式会社アバンギャルド、有限会社戸田覚事務所代表取締役。ハイテク、パソコン、成功する営業のコツ、新商品開発、新事業開発といったテーマを中心に、執筆、出版プロデュース、講演、コンサルティングに携わる。ビジネス誌、パソコン誌、情報関連雑誌をはじめとして多数の連載を抱える。
著書に『あのヒット商品のナマ企画書が見たい!』『プレゼンの極意を盗め!』(以上、ダイヤモンド社)、『すごい人のすごい企画書』(PHP研究所)、『仕事で使える!クラウド超入門』(青春出版社)、『LinkedIn人脈活用術』(東洋経済新報社)など多数がある。
著者ブログ:http://www.toda-j.com/weblog/
株式会社アバンギャルドHP:http://www.avant-garde.jp/


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