[東京 10日 ロイター] - 日銀の内田真一名古屋支店長は10日夕、日銀本店で会見し、東海地区の人手不足は「さらに厳しくなっている」としたが、現段階で賃金・物価の上昇は緩やかであり、同地区経済は「人手不足を抱えながら拡大を続けていく」との見通しを示した。

内田支店長は、東海地区経済が拡大を続ける中で、人手不足感が一段と強まっていることについて「経済のスピードが速すぎて人手がついてこないということであれば、賃金・物価が大きく上がるはず。そうはなっていない」とし、「拡大と人手不足は両立すると考えられる。東海経済は人手不足を抱えながら拡大を続けると思っている」と語った。

人手不足感が強まっているにもかかわらず、物価・賃金の上昇が鈍い理由として「デフレマインドが根強い」ことを挙げたが、「どんなに人手不足になっても、賃金・物価が上がらないということはない」と指摘。今後も雇用情勢のタイト化が見込まれる中で「物価はいずれ上がってくる」と強調した。

金融政策運営に対して地元企業からは、緩和的な金融環境が継続していることに加え、為替相場が安定して推移している中で「特段、金融政策にこうしてほしいとの声が強いわけではない」と説明。もっとも、超低金利環境が長期化する中で「金融機関の収益に影響を与えながらやっている政策であり、その点は自覚しながらやらないといけない」と語った。

また、並んで会見した松本順丈福岡支店長は、九州北部豪雨の影響について「被害の全容がまだ明らかになっておらず、しっかりとさらに情報収集していきたい」とし、現段階で現地の生産活動には「大きな被害は出ていないもようだ」と説明。ただ、物流や農業などに被害が及んでおり、観光にも「今後、夏休みシーズンを控えており、そのダメージが懸念される」と語った。

(伊藤純夫)