メジャーリーガーと
すっかり“メル友”に

――メジャーリーガーたちとはどのようにやり取りしていますか。

社員は永井社長(写真)と、3人の職人のみ。ミシンの音が小さな工房内に響き渡る

 うちのインスタグラム(写真投稿SNS)にメッセージが来るんですよ。しかも本人から(笑)。フェイスブックはやっていたのですが、アメリカではインスタグラムのほうが盛んだとアドバイスされ、始めてみたところ、メッセージが次々に来るようになりました。

 他の選手が使っている防具を見て「これと同じようなのを作ってほしい」と、その写真を添付してくることが多い。加えて野球中継を見ればその選手のサイズが大体分かるので、それを元に製造したものを現地に送付します。

 届いたら、ちゃんとお礼のメッセージもくれるんですよ、絵文字付きで。まさかメジャーリーガーと“メル友”になれるとは思いませんでした(笑)。いつトレードになるなど、その選手の極秘情報が送られてくることもありますよ。

――日本の選手で使用しているのは?

 名前が出せるのは、ソフトバンクホークスの上林誠知選手ですね。他にも「使いたい」と連絡をくれる選手もいるのですが、日本の選手は契約上の制約が大きく、なかなか防具だけ契約外メーカーのものを使うということは難しいんです。トリプルスリー(ホームラン30本、打率3割以上、30盗塁)を達成したある選手も一時期使ってくれていたのですが、用具契約を結ぶメーカーからクレームが入ってしまいました。

――使う用具に制約があるのですか。

 日本の選手は、契約メーカーとグローブやバットを含めた全用具の契約を結んでいるケースが多いんです。選手にとって最もメーカーに提供してほしいのが、消耗品であるグローブやバット。その見返りとして、メーカーは自社の防具も選手に使ってもらう契約を結ぶ、というわけです。

 メジャーリーガーは、契約外でも「自分の使いたいものを使う」という傾向が強い。さらに、「ベルガードの宣伝にあなたの名前を使っても良いか」と頼んでも、「ノープロブレム」と非常に大らか。日本のような煩わしさがありません。