◆サルのようにハマり、鳩のように飽きよ
◇まずは、一つのことにサルのようにハマれ

 多動力とは、異なる、いくつものことに次から次へとハマる力である。その源泉となる好奇心と集中力を培い、何百もの物事にハマるには、まずは何か一つのことにサルのようにハマるとよい。

 バランスを重んじる日本の教育は、子どもの好奇心と集中力をそぐようにできている。例えば給食の時間に「三角食べ」を指導するのは、無理やり子どもたちを「バランス信仰」に洗脳しようとしていたとしか思えない。しかし、ノーベル賞をとるような研究者や医師など、頭一つ抜きん出た人物は総じて、バランスを欠いた変人だ。こうしたことからも、子どもには平均的になるような教育をするのではなく、好きなことをとことんやらせておくほうがよいといえる。

 著者はゲームにハマった経験を、スマホゲームのアイデアの着想や、グルメアプリ、サロン運営などに活かしている。一つのことに夢中になり、根っこまで掘り下げれば、そのジャンルの真髄がわかり、あらゆるものに応用できるのだ。

◇飽きっぽい人ほど成長する

 飽きやすいというと、ネガティブにとらえられることが多い。しかしそれは、実は成長が速いことでもある。どの分野でも、80点までは簡単に到達できるが、100点満点を達成するには膨大なコストと時間がかかる。著者は80点をとれるようになったら、あっさり飽きてしまうことが多い。時間をかけて100点をめざすより、次のジャンルへ飛んだほうが新たな発見があると考えているためだ。

 飽きっぽい人は短期間にものすごい勢いで熱中しているため、人並み以上の知識と経験を身につけ、それを仕事の武器として活かせている。これからの時代に求められるのは、一度深くハマって、あっさりと次へ移り、80点とれるものをいくつももっている人である。

【必読ポイント!】
◆自分の時間を取り戻し、自分の分身に働かせる
◇大事な会議でスマホをいじる勇気をもて

 他人にコントロールされている「他人の時間」を生きている限り、「自分の時間」を生きることは難しいだろう。多くのビジネスパーソンは、参加する必要もない打ち合わせに出るなど、無意味なルールに縛られている。それなら、打ち合わせ中にスマホで気になるニュースを読んだりLINEの返事をしたりするなど、「自分の時間」に引き戻したほうがずっと効率的である。「他人の時間」を生きるのは自分の人生に対して失礼ではないだろうか。

 上司から「話をしているときは目を見て聞け」とか「会議中にはスマホをしまえ」と言われても屈してはいけない。大事な会議であえてスマホをいじる勇気をもってほしい。