◆人生に目的なんていらない
◇永遠の3歳児たれ

 多くの人は、大人になるにつれ、子供の頃もっていた多動力を失っていく。やりたいことではなく、やらなければいけないことをするよう矯正されるためだ。しかし、成功している起業家やクリエイターは、好奇心旺盛な3歳児さながら、興味があることに脇目もふらずまい進している。だからこそ、イノベーションを起こせるのだ。

 テスラ・モーターズCEOのイーロン・マスクは、服を着ている最中に次にやりたいことを思いついてしまうため、ボタンをとめられないという。だからこそ彼は、火星移住計画を立てるなど、常識にとらわれずに挑戦を続けられる。

 人は年をとると新しい刺激にふれられず、自分を変える柔軟性を失ってしまう。しかし、未知なる刺激に接し続けていれば、3歳児のような多動力をキープできる。しかも、テクノロジーの進化のおかげで、学びたい意思さえあれば、新しい知識をすぐに身につけられるようになった。つまり、マインド次第でいくらでも若返りが可能だといえる。

◇今を楽しむことがすべて

 将来の夢や目標なんて必要ない。面白い人たちと面白い時間を過ごした結果、アイデアが生まれ、仕事や遊びにもつながっていく。人は何かワクワクすることにハマれば、「忘我」の境地に達して時間を忘れ、熱狂的なまでに没入できる。そうすれば、目的はおのずと達成され、結果はあとからついてくる。このように、常に新しい自分へと生まれ変わっていくための原動力こそが「多動力」なのだ。

一読のすすめ

 本書には要約で取り上げたトピック以外にも、「経費精算を自分でやるサラリーマンは出世しない」、「99%の会議はいらない」、「1晩10軒以上ハシゴしろ」といった、多動力を発揮するための行動指針や秘訣が満載である。これからの時代において、いかに多動力が必須な能力なのかがありありとわかるだろう。まさに、堀江氏がこれまで発信してきたカルピスの「原液」の濃縮版といえる一冊だ。 「一つのことを極めるべき」、「苦しいことを我慢して行うのが美学」。本書を読み、こうした縛りから解放されれば、より多くの人が才能を開花させ、生きやすくなるにちがいない。

評点(5点満点)

著者情報

堀江 貴文(ほりえ・たかふみ)

 1972年、福岡県生まれ。SNS media & consulting株式会社ファウンダー。現在は宇宙ロケット開発や、スマホアプリ「TERIYAKI」「755」「マンガ新聞」のプロデュースを手掛けるなど幅広く活動を展開。有料メールマガジン「堀江貴文のブログでは言えない話」の読者は1万数千人の規模に。2014年8月には会員制のコミュニケーションサロン「堀江貴文イノベーション大学校」をスタートした。
 近著に『すべての教育は「洗脳」である』『むだ死にしない技術』など。
 Twitterアカウント: @takapon_jp

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