7月10日、過激派組織「イスラム国(IS)」からモスルを奪還した米国とその同盟国は今後、過去の二の舞を避けるため、困難な仕事に取り掛かることになる。写真はモスルでの勝利を祝うイラク連邦警察員。8日撮影(2017年 ロイター/Ahmed Saad)

[ワシントン 10日 ロイター] - イラクのアバディ首相は10日、過激派組織「イスラム国(IS)」が支配していた北部都市モスルに入り、3年に及ぶ戦闘の勝利を宣言した。米国とその同盟国は今後、新たな派閥闘争により勝利が雲散霧消するという過去の二の舞を避けるため、困難な仕事に取り掛かることになる。

 ワシントンの外交筋や米高官によると、戦場での勝利は、ISによる「カリフ」(イスラム教預言者ムハンマドの後継者)宣言に致命傷を負わせる可能性がある一方で、新たな課題とリスクを生じさせかねない。

 一番の問題は、海外支援に後ろ向きなトランプ米大統領、そして欧州と中東の同盟諸国が、物理的・政治的な復興という長期的な作業に取り組むかどうかだ。

 ある西側の外交筋は「関与を続けて仕事を遂行しない限り、10年後にまた同じことが繰り返されることを、だれもが痛感したはずだ」と言う。

 外交筋や米政府高官らが1つの懸案事項として挙げたのは、ISの敗退で空いた穴をイランが埋め、イラクとシリアの双方で勢力を拡大する可能性だ。

 もう1つは、イスラム教スンニ派に政治・経済面で一定の権限を与えなければ、彼らが闇にもぐったISの誘いに乗りやすくなる恐れだ。