[ロンドン 11日 ロイター] - 英国のメイ首相は11日、非正規雇用が多い労働市場における雇用慣行の見直しに向けた調査報告書を公表し、労働者を保護するための改革を行う方針をあらためて示した。

政府が低所得者支援に本腰を入れて取り組む姿勢を示すことで、支持率の回復を図る狙いがあるとみられる。与党・保守党は6月の総選挙で過半数議席を維持できず、首相の求心力は低下している。

柔軟な働き方を求めて、配車・宅配サービスなどの急成長業界で働く人が増える一方、そうした労働者が従来の雇用形態が提供していた保護から取り残されているとの指摘がある。

メイ首相は1年前の首相就任後、雇用慣行の見直しに向けた調査を指示。報告書は王立技芸協会(RSA)のテイラー会長がまとめた。

報告書は、配車アプリ「ウーバー」や出前サービス「デリバルー」などで働く多くの英国人は最低賃金などの待遇が改善されるべきと指摘した。

メイ首相は、政府は報告書が指摘した課題を検討するとした上で「労働者に必要な権利と保護の確保に努める」と表明。また野党に対し、改革の実現に協力するよう求めた。

英国では、自営業者は労働者の健康・安全・反差別に関する基本法で規定されている以上の権利を認められていない。報告書は今回、非正規雇用が多い労働市場で働く労働者を「独立業務委託者」と定義し、年次休暇や休憩時間、最低賃金などを保証される身分とすることを提案した。

見直し案を受け、ウーバーは法律がより明確になることを歓迎すると表明。デリバルーは、雇用の柔軟性を制限する試みは非正規雇用が多い労働市場を阻害する恐れがあり、いかなる措置もこうした市場の拡大を妨げるべきではないとの考えを示した。