もっとも、人事のプロになりたいとはいうものの、漠然とそう思っただけではキャリアは見通せません。どういった方向でプロになりたいのか。それによってするべき勉強も違ってくるわけです。

労務分野で活躍したければ
社労士の勉強をするのが近道だ!

 例えば、労務分野で活躍したいと思うのであれば、やはり社会保険労務士(以下、社労士)の勉強をするのが近道でしょう。資格がなくても労務の仕事はできますが、将来の展開を考えるとやはり挑戦しておいた方がいい資格です。

 もっとも、この資格もただ取得したからといって、その先の将来が直ちに開けるわけではありません。一流のプロになれるわけでもありません。

 今後、どんな社労士として活躍したいのかが重要になってきます。例えば、会社の中の社労士という生き方を想定したとしても、福利厚生に強い社労士なのか、あるいは労務調停に強い社労士になりたいのかでは先々の勉強は違ってきます。

 後者の場合は特定社会保険労務士(*)になる必要があります。社労士の資格を取得後、さらに、「厚生労働大臣の定める研修」を修了し、「紛争解決手続代行業務試験」というものに合格し、連合会の社会保険労務士名簿にその旨を付記してもらうのです。

 さらに、その方向に進むのであれば、それだけでは物足りません。法律や職場のトラブル事例等の勉強をする必要もあります。なぜなら弁護士の資格を取る必要はないまでも、判例などの知識も必要になるからです。やはり、一流のプロになるための道は険しいものです。社労士になるだけでも最低1000時間の勉強が必要だとされます。その上でさらに勉強を積み重ねて初めてプロと呼べる領域に至るのです。

(注)特定社会保険労務士:退職の強要やセクハラ、残業代不払い等の労働トラブルが増え続けているのを背景に、裁判外紛争解決のため代理権利を持っている社労士に法律で権限を付与し、早期解決を目指して設置された

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 さて、人事の専門家としては、例えばキャリアカウンセリングという方向もあります。そのためには、労務分野のプロになるのとは全く違う勉強が必要になります。この場合、キャリアカウンセラーの資格は入り口にすぎないでしょう。この分野でプロと認められるためには資格・実践に加えて、アカデミックなバックグラウンドが必須です。最低でもこの分野の修士号はあったほうがいいでしょう。

 もちろん最初からキャリアのプロか労務のプロか、はたまた他の分野のプロかなどと思い悩む必要はありません。最初のうちは、両方やってみればいいと思います。どこかの段階で、それこそ覚悟を決めて方向を見定めればいいのです。