単に資格や学位などの「勉強」だけ行っていてもプロにはなれません。“実践”が必要です。道を決めたら会社と交渉して実践の場を得る。場合によっては、人事異動を願い出ることも必要になります。

 ちなみに、人事分野でこれからますます重要度を増していくのが海外人事です。海外の支社で人事部をゼロから立ち上げられるようなプロフェッショナルともなれば、かなりの希少価値があります。もしその方向に進もうとするのであれば、語学と異文化コミュニケーション、そして何より経験を通じた実践力を磨くというのが絶対条件です。

 さらにどこかの段階で、人事領域に強い海外の大学院でMBAを取るという方法を検討すべきかもしれません。例えばロンドン・ビジネススクールはヒューマンリソースに強い。そうした環境で勉強ができれば、それこそ鬼に金棒。一流のプロフェッショナルになることもできると思います。

 いずれにしても、そのくらい、自分の将来をしっかりとイメージした上で学び直しの設計をしないと、「あんなに苦労したのに何者にもなれない」という、中途半端なことになってしまうという可能性が高いのです。

 そう、この「あんなに苦労=自分なりの努力」というのが曲者なのです。スタート段階でハードルの低い独学はお勧めです。とりあえず本を読んでみる、とりあえず一般に公開されているセミナーや勉強会に参加してみる。それでOKです。しかし、プロになるにはそれなりの王道があり、これはかなりハードルが高いものなのだ、と知っておくべきです。

営業職の人はどこに
向かえばいいのか?

 先ほど社労士や人事を例にプロフェッショナルへの道の歩み方を見てきましたが、多くの人が携わっている“営業”分野でのプロフェッショナルというのは存在するのでしょうか。そこが、多くの営業パーソンの悩みどころではないでしょうか。

 米国であれば、営業は「セールス・レプレゼンタティブ」という専門職種なので、それなりに尊敬もされているし、転職市場も確立しています。

 ところが日本では営業という職種は独立したプロフェッショナルというより、会社の中の一機能として埋め込まれてしまっています。専門職としての市場はほぼ存在しません。会社を離れて個人として成長していくための道も限られています。

 しかし、“営業のプロフェッショナル”として生きる道が全くないかというと、そんなことはありません。

 私の周りには元「スゴ腕営業マン」という方が何人もいますが、彼らは営業力強化コンサルタントといったことを始めています。その人たちを見ていると、どこかの段階で、自分は営業のプロとして道を極めると定めて、独自の強み開発に取り組んでいます。