「一般的な評価制度の構築には1年程度の月日を要します。その上、多くの企業は査定時の活用を期待していますから、さらに1年後にようやく効果を発揮します。だから、人事評価の見直しは極めてリードタイムの長い施策であると勘違いされてしまうわけです」(高橋社長)

 その点、あしたのチームが提供している人事評価システムは、わずか1日で制度設計が可能。そして、個々の社員が達成すべき目標が明確に設定され、それを達成すればきちんと報われることが約束されているのが重要なポイントだ。

「単に賃金アップに直結する査定であるだけにとどまらず、公平性、透明性を持った仕組みであることが社員に周知されれば、導入した瞬間から意識と働きぶりが変わります。不足していた労働力を確保するという視点に立っても、私たちの人事評価システムのリードタイムは非常に短いのです」(高橋社長)

人事評価の見直しは
利益率向上をもたらす

 時間のみならず、コスト面も大幅に圧縮できるのも大きなメリットだという。

「中途採用の場合、人材紹介サービスに支払う報酬は採用者の年収の35%で、400万円台の社員獲得で150万円程度のコストがかかります。また、80万円ぐらいの求人広告を出して1人を採れれば御の字でしょう」(高橋社長)

 加えて、人事評価次第で離職率の低下を達成できることも見逃せないポイントだろう。人事評価が変わったことで社員のモチベーションが高まれば、おのずと離職者も減ってくる。ここで、高橋社長が前述した例を思い出してもらいたい。30人の会社で人事評価によって生産性が10%上がったというケースだが、もしも人事評価が変わったことで離職者も出なくなったとしたら、当然ながら向上した生産性をそのまま保つことが可能となる。

 これに対し、その会社が人事評価を刷新せず、3人分の労働力が不足している状況下で2人の離職者が出てしまったとしたら、いったいどうなるだろうか?

「2人の欠員補充と3人の純増を全て採用で実現するためには、750万円(150万円×5人分)のコストがかかってきます」(高橋社長)

 離職者をゼロにはできなかったとしても、採用に依存するケースよりもコストを抑えられるのは明らかだろう。そればかりか、人件費を据え置きで実質的に増員でき、売り上げが拡大する。つまり、利益率がアップするのだ。

「だから、私たちの人事評価システムを導入した企業の多くは、利益が30%以上増えています。すでに約1000社が採用し、売り上げも10~20%の伸びを示していますが、やはり利益への波及効果のほうが大きい」(高橋社長)

 たとえ売り上げが10%増にとどまったとしても、コストの割合が減っているので、利益の30%増が達成できるのだ。中小企業は専門の部署が存在せず、ワンマン社長の意向が大きく影響しているケースが多い。それだけに、人事評価システムの導入が業績に及ぼすインパクトは大きいだろう。

「大手企業では、人事評価ではなく人事考課という言葉を用いているケースがほとんどです。考課とは、勤務成績に基づいて給与を決定することがその目的。一方、評価には人材育成という意味合いが込められています。だから、私たちはこの言葉に強いこだわりを持っています。特に中小企業は、人材育成の要素を備えた人事でないと、コストに見合った成果が得られません」(高橋社長)