これは、前の会社(日立製作所)でもありました。前の会社では、例えば世界で一番小さなトランジスタを作るということだけを考えている部門がありました。そういう意識は大切なんだけど、それで稼ぐっていうことが大事なんです。会社というのは、給料を払って、税金を払って、配当を払って、銀行の利子を払って、それが全部できてはじめて一人前なんです。そのためには黒字でなくてはならないし、それも一定以上の黒字である事が必要です。

 こういうことを言っても、なかなか分からない人はいましたよ。でも、こういう一人ひとりの意識を変えて、稼ぐということを言い続けたのが前の会社での経験です。だから、この会社(東電)でも、前の会社でやってきた経験は活かせると思うんですよね。

 相当厳しい改革になると思います。でもその覚悟はしているし、道のりは厳しいけど、なんとかやっていこうと思っています。

 原子力部門はこの会社のなかでも、すこし特異な部門ですね。原子力部門の中でもいくつもの部があって、それがサイロのようになっている。これはあんまり、組織としては好ましくないですね。サイロであっても緊密に連絡を取り合ってやっていけるのであればいいのかもしれないですけど。

 これからは自由競争の時代だから、意思決定も行動も早くしないといけない。サイロを壊して、部門の中の指揮命令系統を揃えて、みんな違うベクトルを合わせて、大きな方向性はこっちだというときに、ぱっと進めないといけない。

 個人の気持ちもそうですけど、組織の形も変えた方がいいと思っています。原子力立地本部は社内カンパニー制にしていきたいです。ちょうど、廃炉カンパニーのような感じです。