[14日 ロイター] - <為替> ドルがほぼ全面安の展開となり、対円では約2週間ぶりの安値に沈んだ。朝方発表された6月の米消費者物価指数(CPI)、小売売上高統計が市場予想に届かず、米連邦準備理事会(FRB)が年内に追加利上げに踏み切れるか懐疑的な見方が強まった。

ウエストパック・バンキング・コープのシニア通貨ストラテジスト、リチャード・フラヌロビッチ氏は「CPIデータは、インフレの弱含みがどの時点から一時的からより持続的なものになるのかという問題を提起する」と話す。

主要6通貨に対するドル指数<.DXY>は0.6%低下の95.152。一時は2016年9月以来の水準となる95.132まで下がった。

ドル/円<JPY=>は0.65%安の112.53円。一時は2週間ぶりの安値となる112.28円まで売られた。ウエストパックのフラヌロビッチ氏は、ドル/円に一段の下げ余地があると指摘。「とりわけ米国債利回りの低下に伴い、夏の終わりまでに110円まで下落する可能性が十分ある」と予想する。

<債券> 国債利回りが低下し、10年債、7年債、3年債利回りは2週間ぶり、2年債利回りは3週間ぶりの低水準を付けた。6月の消費者物価指数が低調だったことに加え、小売売上高が予想外に減少したことで年内の追加利上げに疑問符が付いたことが背景。

CMEフェドウオッチによると、短期金融市場が織り込む連邦準備理事会(FRB)が12月の会合で少なくとも0.25%ポイントの利上げを決定する確率は47%となっている。前日終盤は55%近辺だった。

ただアライアンス・バーンスタインのシニアエコノミスト、エリック・ウィノグラド氏は今回のCPI統計が軟調だったものの、FRBが利上げ軌道から外れることはないと指摘。「9月の会合までにCPI統計と個人消費支出統計があと2回ずつ発表される」とし、「インフレ率が現在の水準から徐々に上昇していくとのFRBの見通しは正しいと考えている。FRBが9月にバランスシートの縮小について発表し、12月に利上げを決定するとの予想が基調シナリオとなるとの見方を変えていない」と述べた。

朝方の統計発表を受け、2年債と10年債の利回り格差<US2US10=TWEB>は96.70ベーシスポイント(bp)と、約1週間ぶりの水準に縮小。長短金利差の縮小はインフレ懸念がないため長期債に買いが入っていることを反映しているとみられる。

<株式> 続伸し、ダウ平均とS&P500が最高値を更新した。さえない米経済指標を受け、年内の追加利上げ観測が後退した。この日はJPモルガンなど大手銀行が予想を上回る決算を発表したものの、金融株は軟調となり、相場の上値を抑えた。

ある市場関係者は「指標は相当の金融緩和政策の継続を示唆するものだ」と述べた。金利先物が織り込む12月の利上げ確率は指標発表後に48%と、前日終盤の55%から低下した。今週はイエレン連邦準備理事会(FRB)議長が、根強い低インフレで先行きの利上げは段階的になる可能性を示唆し、その後株式相場は上昇基調をたどった。

こうしたなか、株式投資家の不安心理の度合いを示すシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー・インデックス(VIX指数)<.VIX>は1993年12月以来、約24年ぶりの低水準で取引を終えた。中型株のラッセル2000指数<.RUT>も最高値で取引を終えた。

大手銀4行がこの日発表した4-6月期決算は利益が予想を上回った。ただ市場ではさらに好調な業績や見通しを期待していたという。JPモルガン・チェース<JPM.N>は0.9%安。シティグループ<C.N>は0.4%。ウエルズ・ファーゴ(Wファーゴ)<WFC.N>は1.1%安。金融株指数<.SPSY>は0.5%安。週間では0.7%下落した。前週は1.5%上昇していた。来週はバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)<BAC.N>はゴールドマン・サックス<GS.N>、モルガン・スタンレー(モルガンS)<MS.N>が決算を発表する。

<金先物> 低調な米経済指標の発表をきっかけに、ドルが対ユーロで下落したことに伴う割 安感などから買われ、反発した。中心限月8月物の清算値は前日比10.20ドル(0. 84%)高の1オンス=1227.50ドル。

<米原油先物> ドル安・ユーロ高の進行に伴う割安感から買われ、5日続伸した。米国産標準油 種WTIの中心限月8月物の清算値は前日比0.46ドル(1.00%)高の1バレル= 46.54ドルと、7月3日(47.07ドル)以来約2週間ぶりの高値を付けた。週間 では5.22%高。9月物は0.50ドル高の46.75ドルとなった。

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