日本の医療は統計的に見て水準、コストともに先進国最高レベル

日本は「待ち時間」
米韓は「費用」に不満

 日本の医療水準は、海外の主要国と比較して満足すべきレベルなのか、統計データで検証してみよう。

 高齢化がひときわ進んだ日本では、若い世代と比較して医療費が高くなる高齢者が非常に多いのだから、経費の視点から見れば、最善の医療でなくとも満足すべきなのかもしれない。

 こうした見方に立つと、医療水準そのものだけでなく、それを維持するために費やしているコスト(医療費)とのバランスも確かめねばなるまい。医療水準が高く、医療費が低ければベストだし、逆に、医療水準が低く、医療費が高ければ最悪ということになる。

 医療水準の指標としては、(1)胃がんの治療成績(5年生存率)といった医療技術の水準、(2)疫病対策、母子保健など公衆衛生の水準、(3)健康保険の充実度など医療アクセスが容易となっているかを示す制度面の水準などが考えられる。

 しかし、誰でも納得できるようにこれらを統合した指標を作成するのは容易ではない。そこで、ざっくりと平均寿命を医療水準の代理指標として評価する手法も試みられている。