ワシントンから遠いほどいい!

 アメリカでは“政策の実施部隊”として忙しい政府が、政策立案を独占しない。“政府が使える政策”を考え抜くプロ集団にまかせるのだ。日本では、政策の実施、国会対策、政策立案まで整理されずにぐちゃぐちゃに霞が関が独占してやっている。だから官僚が忙殺され生産性の低いまま擦り切れるのだ。その結果、中長期も短期も含め、国に政策らしい政策が存在しない。だから首相が思いつきの政策で政府を混乱させることにもなる。

 また、日本のような大国の政府に、今の時代に客観的に打ち出せる政策を立案できるプロがいない。官僚が優秀だと言っても殆どが、日本の学士を出て、短期の留学で修士を取った人間がいるくらいだ。アメリカの有力シンクタンクでは専門分野の博士号を持ち、その分野で傑出した研究成果のある者が多く働いている。

 政府から、文字通り距離を置いて、独立した立場で政策を考えるプロ集団として、政府の政策にインパクトを与える政策を作り出す。これこそがランドの存在意義なのだ。

 次にシンクタンクが機能する条件を考えてみた、シンクタンクが機能するには一にも二にも人材である。アメリカではなぜ最高の人材が政府に集まるのか?答えは二つ。“仕事の満足度”と“ブランド”ではなかろうか。

実際の政策にインパクトを与えよ!

 仕事の満足度とは何か?それは「政府の政策にインパクトを与えること」に他ならない。今アメリカで最も有能な人材は「報酬」よりも「社会にインパクトに与える」ことに最大の満足感を感じる。それがビジネスを通じてでもいいし、公職を通じてでもいい。公職を通じて社会にインパクトを与えたい場合、政治家という選択もあるが、アメリカでも議員になるのはお金がかかるし、プライバシーを犠牲にしないといけないし、大変だ。有能な人材にとって、最も現実的な選択肢は、政府が実施する政策の立案を依頼してくるような影響力あるシンクタンクに入って政策を立案することだ。

 ランドは実行される政策にインパクトを与えるにふさわしい場所だ。まず仕事の依頼主の大半が政府であること。そして、ランドの理念は「結果」すなわち「政策として実行される最終商品を作る」ことにあるからだ。逆に「結果」最優先だから政府から仕事が来るのだろう。