過去の「会計」ではなく、未来の「財務」を考える

 1日でも「長く」「多く」手元に資金を残す方法を考えていけばいいのです。

 企業が存続できるのは、当たり前ですが、現預金が途切れることなくあるからです。企業を守るのは「利益」ではなく、「現預金」です。

 とにかく手元の現預金を増やすには、どんどん借入をして現預金を集めるべきです。

 必要以上の借入をすることに抵抗を感じる経営者がいるかもしれませんが、そもそも銀行は雨の日に傘を貸してくれないのです。

 それが分かっているのであれば、晴れの日に借りまくるしかないのです。

「そんなに簡単に貸してくれないよ」と嘆く経営者もいるかもしれませんが、手順をきちんと踏んでいけば、そんなに難しい問題ではありません。

 貸してくれないのであれば、返さない。つまり、雨になったら返さないという選択肢も取れます。

・業績が悪くなるのが分かっているのに、期日通りに銀行に返済している会社。
・税金を払いたくないからと、現預金を減らす無駄な節税に走る会社。
・大事なときに助けてくれないのに、メインバンクを大事にする会社。

 全部、間違っています。

 会社を成長させるのに欠かせないのもまた、「利益」ではなく「現預金」です。

 企業活動とは財務の観点から捉えると、資金を調達して、投資して、回収するということです。
大きく調達できれば、手元の資金が厚くなりますから、いつでも投資できる状態になります。さらに、どんどん投資していくことも可能になります。

 投資しなければ回収はできません。企業が儲かるようになるには、投資は必須なのです。

 投資は小さく、回収は早く、調達は大きくする。このサイクルを大きくしていくことで企業は伸びていき、儲かるようになります。

 まずは調達して手元の現預金を厚くしましょう。その方法を本書に分かりやすくまとめました。

「借りたら返すな」

儲かる会社はお金を返している暇などないのです。