「がん保険」に入るなら、
医療保険は即刻やめるべき

 家計を考えると、保険という「ハズレが多いクジ」に依存し続ける期間は短いほどいいはずです。子育て中の方々などは、「死亡保険」に加入なさっていることも多いでしょう。「がん保険」ばかりにお金をかけていられない方々は、特に「定期」を活用し、何かと出費がかさむ時期を乗り切って欲しいと思います。

 加えて、「がん保険」を必須と考える方は、病気や怪我による入院を中心に保障がある「医療保険」への加入を見送るべきです。加入済みの方は解約した方がいいと思います。ここでは詳しく書きませんが「医療保険」は不要です。

 こう言っては何ですが、私には「医療保険」は「身近に感じるリスク」に保険で備えたい、というお客様の「間違った認識」を保険会社が利用している商品に思えます。またファイナンシャル・プランナーや金融ジャーナリストの中にも「老後は入院やがんの罹患リスクが高まるので終身タイプの保険が安心です」といった発言をする人が珍しくないのも疑問です。リスクが高まるものにすべて保険で対応していくと、いくらお金があっても足りないことになることを、お金の専門家が知らないはずはないだろうと思うのです。

 たとえば、30代半ばの夫婦が、売れ筋である「終身」タイプの「医療保険」と「がん保険」の両方に2本ずつ計4本加入し、60歳までに保険料を払い終わることにすると、保険料の総額は700万円を軽く超えます。子どもが1人いる場合、教育費の相当部分が賄える金額でしょう。

「医療保険」に加入中の方で、「がん保険」の保険料は追加負担もやむを得ないか、などと考えていらっしゃる向きは、「医療保険」の保険料を「がん保険」に回すことにして追加負担を回避していただきたいと思います。

 次回は、おすすめできる具体的な商品をピックアップします。

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